ネトフリでドラマ配信中!三体原作の解説はこちら

三体だけじゃない 次に読みたいおすすめ劉慈欣作品を一挙解説!

記事内のリンクには広告を含みますが、本の感想は全て正直に楽しく書いてます。ぜひ最後までお楽しみください★

「三体シリーズ」で世界に名を馳せた、中国人SF小説作家の劉 慈欣氏。
でも、おもしろいのは三体だけじゃないんです!

邦訳版の劉慈欣作品の制覇を目指す管理人、わんこたんが、劉 慈欣作品の魅力と、「三体の次に読みたい」劉 慈欣作品について、語りつくします。

 

三体

 

三体シリーズは全作品「聴く読書」Audibleの聴き放題対象

祐仙 勇さんの朗読により、各キャラの感情がダイレクトに伝わってきます。未読の方にはもちろん、シリーズ既読の方にこそ、おすすめしたいです。

特に史強の、冷徹さと頼もしさのこもったセリフは、ファン必聴!思わず聴き入ること、間違いなし。

合わなければ体験中の解約OKで安心

 

※リンク先で「▶Audibleサンプル」ボタンを押下してください

超新星紀元白亜紀往事 も聴き放題対象なので、登録するだけで劉慈欣ワールドにどっぷり浸かれます。

洗濯物干しながら耳から物語にどっぷり!さいこー!

 

 

ずばり、三体の次に読みたい1冊はこれ!

わんこたん一押しはSF短編集の流浪地球

どの収録作品もクオリティがえげつない「全部おもしろい短編集」!

 

流浪地球
流浪地球
 

 

 

まだまだあります おすすめの劉 慈欣作品

劉 慈欣作品、最初はやっぱり三体シリーズがおすすめですが、三体以外にも邦訳で読める名作がたくさん!短編と長編に分けて紹介します。

 

やっぱり最初は三体から!

以下の記事で、三体シリーズの魅力をネタバレなしで紹介しています。

読む順番は?文庫化は?三体シリーズ原作を徹底解説します - わんこたんと栞の森

 

おすすめ短編作品

発売中の邦訳短編集は以下4冊。この4冊で、劉慈欣氏の短編著作ほぼ全てを邦訳で読むことができます。各短編集で作品の重複はありません。

 

 

劉慈欣先生の短編集4作品を説明したイラスト

 

流浪地球/老神介護

流浪地球
流浪地球
 

 

原著は1冊の短編集でしたが、邦訳に際し、ボリュームの都合で2冊に。

太陽系から脱出を図る人類の旅路を描いた表題作「流浪地球」、地球に突如現れた神様と、人類文明誕生にかかわる重大な秘密を描いた表題作「老神介護」など、壮大なテーマと、想像を超えた展開が魅力の2冊です。

 

老神介護
老神介護
 

 

収録短編はストーリーの内容を考慮して分けられており、緩やかなテーマ性があります。

 

  • 流浪地球:「宇宙への旅立ち」「既存世界からの別離」「滅び」
  • 老神介護:「出会いと別れ」「地球と人間」

2冊に分かれたことで、テーマの「差」が和音のようになって、美しい余韻に。個人的にはナイス分冊化だったと思います。

ぜひ2冊セットで読んで、壮大な劉慈欣ワールドを堪能してほしい!

 

円 劉慈欣短編集

円 劉慈欣短篇集

流浪地球老神介護は壮大な展開の作品が多一方、ですが、こちらの「円」では、「社会」「個人」というミクロな部分にフォーカスした作品が多め。

 

貧困問題や環境破壊、中国の歴史(始皇帝とか)といったトピックも盛り込まれ、SFであることを忘れるほどのリアリティがたまりません。

 

特に、収録作品の「円」は三体のワンシーンを短編用にアレンジした作品。(このアレンジの仕方がまた最高!)

長編の三体を読むのはハードルが高いけど、短編なら、読んでみたい。というあなたにおすすめの一冊です。

 

※なお「円」収録の「詩雲」は、「流浪地球」収録の「呑食者」の続編なので、先に流浪地球から読むのをおすすめします。

 

 

時間移民 劉慈欣短編集Ⅱ

時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱ
時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱ
 

 

 

 

劉 慈欣さんの短編作品一覧

短編作品を初出の時系列順に一覧にしました。収録タイトルはカッコ書きで示しています。

また、★マークはわんこたんイチ押し作品です。ひとこと感想つき。

※量が多いので、以下をクリックしてお読みください

ここをクリックで開きます

 

  • 「中国2185」 - (未)
    1989年の天安門事件直前に書かれた未刊のデビュー作。毛沢東の死体の脳をスキャンしてサイバースペースで復活?これ刊行できるの?
    参考▶群像・論点 福嶋亮太「文化史における『三体』」|⑦ダーク・コスモロジー|tree

  • 「鲸歌」(邦題:鯨歌)1999年6月 (円)
  • 「微观尽头」(邦題:ミクロの果て)1999年6月  (時)
  • 「宇宙坍缩」(邦題:宇宙収縮) 1999年7月 (時)
    ★三体でも活躍する丁儀博士が登場!?

  • 「带上她的眼睛」(邦題:彼女の眼を連れて)1999年10月(老)
    ★中国では国語の教科書にも掲載されたそう。壮大で切なくてすばらしい作品なのですが、教科書で読んだら恐くてトラウマになりそう

  • 「地火」(邦題:地火(じか))2000年2月(円)
    ★迫りくる災害のリアリティがすごい。SF版プロジェクトXのような。

  • 「流浪地球」(邦題:さまよえる地球/流浪地球)2000年7月(流)
    映画化もされNetflixで配信中。ひたひたと迫る絶望感と、大衆の愚かさと、かすかな希望も

  • 「乡村教师」(邦題:郷村教師)2001年1月(円)
    ★貧困にむしばまれる農村の描写と、教育を守ろうとする姿に涙

  • 「微纪元」(邦題:ミクロ紀元)2001年4月(流)
    ★流浪地球のIF世界版という感じ。こちらもよき。

  • 「全频带阻塞干扰」(邦題:全帯域電波妨害)2001年8月(時)
    ★ロシアを舞台にした戦争物。ロシアのウクライナ侵略と重ねて読んでしまうが、そこからさらに凄絶なSF展開が繰り広げられ、圧倒される

  • 「纤维」(邦題:繊維)2001年8月(円)
  • 「命运」(邦題:運命)2001年11月(時)
  • 「信使」(邦題:メッセンジャー)2001年11月(円)
  • 「中国太阳」(邦題:中国太陽)2002年1月(流)
  • 「梦之海」(邦題:夢の海)2002年1月(時)
  • 「朝闻道」(邦題:朝に道を聞かば)2002年1月(時)
  • 「混沌蝴蝶」(邦題:カオスの蝶)2002年1月(円)
  • 「天使时代」(邦題:天使時代)2002年6月(時)
    ★倫理観の変化を問うバイオSF。戦闘描写がなかなかこわい。

  • 「吞食者」(邦題:呑食者)2002年11月(流)
    ★地球侵略者との戦い。結末好き。

  • 「西洋」(邦題:西洋)2002年12月(邦訳は華語文学の新しい風 (サイノフォン)収録)

    中国大陸の明朝、永楽帝に使えた宦官の鄭和(ていわ)は明の国威発揚と、朝貢貿易の拡大を目的に南海遠征に臨みました。
    遠くアフリカまで到達したこの遠征が、もしヨーロッパまで到達していたら?というIFルートをたどった世界の物語です。
  • 「詩雲」(邦題:詩雲)2003年3月(円)※「吞食者」の続編
  • 「光荣与梦想」(邦題:栄光と夢)2003年8月(円)
  • 「地球大炮」 (邦題:地球大砲)2003年9月(老)
    ★すごかった。恐怖と絶望からの、希望の持っていき方が絶妙なのよ

  • 「思想者」(邦題:思索者)2003年12月(時)

  • 「圆圆的肥皂泡」[邦題:円円(ユエンユエン)のシャボン玉]2004年3月(円)
    ★めずらしく(?)、ハートフル

  • 「镜子」(邦題:鏡)2004年12月(時)
    予知をテーマにした作品だが、冒頭のSFとは思えない犯罪捜査描写も読みどころ

  • 「创世纪」2005年1月 長編 超新星纪元 からの一部抜粋(未)
  • 「赡养上帝」(邦題:神様の介護係/老神介護)2005年1月(老)
    ★子供に自分の介護を依存しないようにしよう、と決意したくなる

  • 「欢乐颂」(邦題:歓喜の歌)2005年8月(時)
  • 「赡养人类」(邦題:扶養人類)2005年11月)(老)
  • 「山」(邦題:山)2006年1月(流)
  • 「2018年4月1日」(邦題:二〇一八年四月一日)2009年1月(円)
  • 「月夜」(邦題:月の光)2009年2月(円)
  • 「人生」(邦題:人生)2010年1月(円)
  • 「太原之恋」(「太原诅咒」)(邦題:呪い5・0)2010年2月(流)
    ★超おバカSF。作品に登場する劉 慈欣さん本人に注目

  • 「时间移民」(邦題:時間移民)2010年4月(時)
  • 「海水高山」 - 既出短編「山」の短縮版。2014年9月(未)
  • 「圆」(邦題:円)「三体」からの一部抜粋・改編による短編 2014年12月(円)
    ★これを読んで驚愕したわんこたん。そこから三体を読んで、はまる。

  • 「不能共存的节日」(邦題:共存できない二つの祝日) 2016年4月(時)
  • 「烧火工」(邦題:火守)2016年6月)(邦訳は物語絵本 火守 として出版)
    ★絵本……?と侮ることなかれ。邦訳版の挿絵は西村ツチカさん。イラストが本当にすばらしいので、ぜひ読んでみてほしい……

  • 「黄金原野」(邦題:フィールズ・オブ・ゴールド)2018年5月(時)
    ★劉慈欣 最新作。エモくて悲しくて美しかったよぉ

 

 

おすすめ長編作品

三体0【ゼロ】球状閃電

三体0【ゼロ】 球状閃電
三体0【ゼロ】 球状閃電
 

三体0【ゼロ】球状閃電は三体シリーズ本編の前日譚として邦訳ば販売されていますが、実は物語上のつながりはほとんどありません。

共通の登場人物はいますが、三体シリーズ未読でも、まったく問題なく楽しめます。

 

量子物理学をベースに「球電」の謎にいどむ科学者たち、球電を軍事利用しようとする政府、そして「兵器」に翻弄されるひとりの女性。

 

徐々に明らかになる球電の正体と、その結末に驚かされること間違いなし!劉 慈欣さんの想像力のものすごさに、驚き、ワクワクすること、請け合いです。

 

 

白亜紀往事

白亜紀往事
白亜紀往事
 

それはありえたかもしれないもうひとつの「白亜紀」。恐竜と蟻は、相互補完的に繁栄し、高度な文明を築いていました。その2つの文明が対立したとき、もたらされるものとは、、、

蟻と恐竜。「人間不在」でここまでの物語をつむぐ、この発想力!

実は短編バージョンも存在し、「老神介護」に収録されています。個人的には短編版のほうが展開がダレないのでおすすめ!

 

 

なお、劉 慈欣さんは蟻に思い入れがあるのでしょうか。三体シリーズの2作目「黒暗森林」では、冒頭とラストに、「蟻=無知な人類文明」に見立てた印象的なシーンが登場します。

 

三体Ⅱ黒暗森林 上
三体Ⅱ 黒暗森林 上
 

そして、そんな黒暗森林を意識したためか、テンセントドラマ版三体では、「蟻」や「虫」を意識したオリジナルシーンがちょいちょい登場したり。

 

アマプラで見られるテンセントドラマ版三体

見どころを以下の記事で紹介中!

テンセント版(アマプラ版)ドラマ三体と原作の違いを解説 - わんこたんと栞の森

 

超新星紀元

超新星紀元
超新星紀元
 

 

1999年末、超新星爆発によって発生した放射線バーストが地球に降り注ぎ、1年後に13歳以上の大人すべてが死にいたることが判明。

地球の運命はこどもたちに託された!

 

劉 慈欣さんの長編デビュー作にして、膨大なエネルギーを発散させたような、攻めに攻めた問題作。正直、かなり好みの分かれる作品。読者の想像と全く違う方向に、物語は突っ走っていきます。

怖いもの知らずの方、ぜひぜひチャレンジを。

 

日本語で読める!劉 慈欣作品の邦訳まとめ

ここまで紹介した「三体シリーズ」以外の、日本語で読める劉慈欣作品は、以下の通り。ぜひ「三体シリーズの次に読みたい本」として、チェックしてみてくださいね。

 

※書影クリックでAmazonのページにジャンプします

流浪地球
老神介護
三体0【ゼロ】 球状閃電
白亜紀往事
超新星紀元

 

劉慈欣さんの新作予定は?

劉慈欣さんの長編の著作は「三体シリーズ」が最後。2024年現在、新作の発売予定はありません。

短編の執筆も2018年の黄金原野が最後です

 

一方で、2022年の以下インタビューで、三体などとは違う物語を書こうとしている、とも述べています。

中国SF小説「流浪地球」の劉慈欣氏、宮崎駿監督や「エヴァ」「銀河英雄伝説」から影響:朝日新聞GLOBE+

 

新技術がインターネットであっという間に広がるこの時代、「新しい発想」を見つけ出すのに苦労されているそう。

わんこたんはいちファンとして新しい作品が出るのを、静かに座して待ちたいと思います。

既存作品の映像化も進んでいますので、まだまだ劉慈欣ワールドを堪能したいですね!

 

劉 慈欣作品以外の、おすすめ小説

三体との対比がポイント?プロジェクト・ヘイル・メアリー

三体シリーズと鏡合わせのような展開に注目!
「元気の出る」大人気SF作品。映画公開前に要チェックです!

 

プロジェクト・ヘイル・メアリー
 

 

 

タイムスリップSF、集めました

劉 慈欣作品では意外と少ない、タイムスリップSF。

軽いのから壮大なのまで。古今東西のタイムスリップSFを集めました。

 

三体の次はこれ! 次に読みたい「とまらない」小説たち

三体とは違うジャンルでおもしろいSFを読みたいあなたへ。

おすすめの小説を集めました。