1週間ほどかけて読みました。幸せな読書時間でした。
寝不足になるから今日はここまで、、、ていうのができないんだよなー
ちくしょー時間どろぼー眠いぞー (誉め言葉)
<以下、ネタバレを含みます。>
冒頭の2つの場面がラストにつながる爽快感
まず るおじーといえうんじぇの会話。宇宙社会学の公理
そこから導き出される、単純な理論。
エヴァンズと三体世界の対話から明らかになる三体世界の弱点。
この2つが、三体世界と戦う、唯一の武器のヒントとなっています。
一体武器の正体は何なのか、読者は本書を読みながらその武器の正体を解き明かすことになります。
やんどんのお墓に登る蟻。目の前のことしか知らない蟻、宇宙のことを何も知らない地球人類を象徴するかのようでした。
とにかくおもしろい
前作「三体」も ものすごかったのですが、
今作は私の想像する「SF」の枠組みを大きく飛び越えていて、
心理学的洞察もめちゃめちゃ深いうえに、
バディものとしてのエンターテイメント性もあり、、、
さらにさらに希望と絶望の振れ幅がとてつもないので
私の精神は第4戦速状態の艦隊の中身さながら、
ぐっちゃんぐっちゃんになりました(グロいw)
端的にストーリーをご紹介すると、
限られた条件の中、どうやったら人類は宇宙の他文明の侵略を
防ぐことができるのか?
というのを200年かけて考える、一種の思考実験、パズル
といったところでしょうか。
<限られた条件>
・「三体文明」は人類側と比較して
テクノロジーに大幅なアドバンテージがある。
・人類側は「三体文明」の妨害をうけており、
物理学(量子力学とかそういうの)が、一切発展しない。
・「三体文明」は人類には観測不能なスパイマシンを
送り込んでいて、人類側の行動、会話、機械のデータ等は
すべて「三体文明」に「即時で」筒抜け。
・三体文明は人間の「思考」は観測できない。
頭の中にとどめている限り「三体文明」に情報は洩れない
・上記4事項について人類側も把握している。
・人類側はコールドスリープ技術が利用可能という前提。
これらのパズルのピースが順を追って提示されていくところから
まずワクワクするし、
ここからどうやって「三体文明」を打ち負かすのか?
という読者の予想をどんどん飛び越えていく展開が
めちゃくちゃたまらないのです。
3部作の中の2作目であはありますが、
結末は予想以上にきれいに着陸。でも、これ、続くんですよね。
一体どうなってしまうのか。はやく続きが読みたい。ああ読みたい。
邦訳~がんばれ~
<追記>
続編の邦訳も発売されました!読みました!
続編に向けて気になる部分
①
二隻の「暗黒の船」の運命があまりにも切ない、、、
同時多発的にお互いの戦艦を攻撃する場面で
「火の鳥-未来篇-」でメガロポリスが同時に滅亡するシーンを、
当てのない宇宙への旅に出る彼ら「新人類」(暗黒人類?)の場面では
「火の鳥-宇宙篇-」に登場する、軌道を離れて徐々に交信不能となる
脱出カプセルのことを思い出しました。
アレは子供心に怖かったな、、、
この2隻は「負文明」として続編に登場するのでしょうか?
②
太陽系から離れ、資源不足でさまよう「三体」の艦隊を、
人類は救出に行くのでしょうか。(あるいは三体文明側で救出?)
結末では示されていませんでしたが、
どうか、ふたつの文明が手を取り合って、暗黒の宇宙を照らしてほしい、
と思わずにはいられませんでした。
まさに宇宙の文明同士の「愛」ですね。
まあ、人類側は「三体文明」側にめちゃくちゃにやられて
かなりの犠牲を出しているわけなので、おいそれと救出にはいけないのかもしれませんが。
③
敗北の精神刻印がされた「刻印族」の存在について、
結局どうなったのか、本当に存在していたのか、
という問いの答えは明示されませんでした。
第3部で触れられるのかも?
④
「三体文明」が敗北主義者を危険視する理由も
結局あまりよくわからなかったのですが、
人類が宇宙にちりぢりになることで「太陽系」の位置情報が
他文明に伝わり、「三体文明」が脅かされることを
嫌気したのかな?と解釈しています。
⑤
物理学関連の描写がかなり細かいのに対し
生物学関連の描写はわりとざっくりだったな、という印象。
コールドスリープ技術は当たり前のように使用できるし、
白血病や未知の感染症など、未来の超技術で特に障害もなく完治しているし、
まあそこはフィクションと割り切ってとして、
あまり気にしないほうがいいのかもしれません笑
⑥
安定の大史
1作目で放射線浴びまくって白血病になるも、ばっちり治して
本作でも大活躍。お願い、続編にも登場して、、、笑
とりあえず1作目の「三体」からまた読み返して、
もうちょっと余韻にひたりたいなとおもいます。
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おしまい!
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