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(読了)読書感想文/三体Ⅲ 死神永生

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ついにSF長巨編3部作を読み終えました。
いっきに読みすぎて、ブックマークも何もつけなかったので、
感想を書くためにはまた最初から読み直さなければなりませんでしたw
めちゃくちゃ面白かったです。

 

 

以下ネタバレ注意です。

 

あ、過去2作の感想もこちらに置いておきます。

 

wan3ko5tan.hatenablog.com

 

 

wan3ko5tan.hatenablog.com

 

 

 

本作のおもしろさはどこにあるのか

まず、人類と三体文明との戦いの結末、のみならず、
人類の滅亡(厳密には滅亡してませんが)、
そして宇宙の行く末まで書ききるとは、恐れ入りました。

ここまでスケールアップすると、第1作での戦艦輪切り、
第2作での水滴による殺戮なんて、ほんとにミクロのできごとですw

 

そんなミクロな「人類」ですが、
そんな中でも個々人のあがき、戦略が
しっかりと描写されているのが、本作の魅力なのかな、と思います。

 

第1作~第3作(本作)まで、
「どうやってこの危機に対抗するのか?」と、
解決を模索する展開が繰り返され、そのたびに
「こうすればいいのか!」という思いもよらないアイデアが提示される。
この流れが一貫していて、
ミステリの謎解きの面白さに通ずる部分があるかと思います。

 

とはいえ、人類社会が滅びるのは結構ショックでしたw
種としては生き残っている
という希望を持たせたラストシーンなのかもしれませんが、
個人的にはショックのほうが強かったです。

史強の活躍も羅輯の暗黒森林の解明も、結局は、、、

という、
どうしようもない冷酷さゆえでしょうか。
本作は第1作、第2作にあったようなスペースオペラ的なエンタメ性よりも
「純粋なるSF」という印象を強く受けました。

 

冒頭部分について

冒頭でいきなり「1453年 東ローマ滅亡 コンスタンティノープル陥落」から
始まるのには驚きました。
こういうSFのはずなのにいきなりリアルな歴史の話になったぞ?
というの、個人的には大好物ですw(三体1作目と同じ構造ですね)

本シーンは後から登場する高次元文明の伏線なのですが、
ラスト1行
「いま、人々は学んだ。終わりのない宴はない。
あらゆるものに、必ず終わりがある」
本書をラストまで読んでから、改めて読み返すと、切ないですね。

 

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 主人公、程心について

本作での主人公、程心は、何度も人類の命運を握る重大な選択を迫られ、
そのたびに「この選択は失敗だった」と後悔したり、
あるいは選択そのものを放棄するような行動をとります。

Amazonの書評なんか眺めると、どうもこのあたりの決断の弱さ故か、
程心は過去作の主人公たちよりは不人気なようですが、

 

「いや、こんな重い選択、一人の人間が負えるもんじゃないでしょ!」
と、個人的には程心に同情しました。
ある意味、3作品のなかで一番人間らしい主人公だったかなと。

 

それだけの重い選択、後悔を経験してきた程心だからこそ、
最終的パートで三体文明のAI「智子」に「複雑にからみ合った」感情を
呼び起こしたのかもしれないですね。

思えば、第3作で程心が執剣者としての役目を放棄した際、
「智子」は完全に程心のことを見下していたと思うのですが、
それが、ここまで変化するのが感慨深い。

 

ところで「執剣者」は日本語訳オリジナルなのでしょうか
(ルビはソードホルダー)
「執権」とかけた、すばらしい当て字だなと思います

 

一方で、個人的に程心に対して理解できない部分もありますw

三体文明への対抗策として「雲天明」の氷漬けの脳みそを宇宙に送る
決断をしたシーン。
(※雲天明は程心の大学時代の同期で、程心に片思いするも、いろいろあって\
挫折して、不治の病に侵され安楽死を希望していました)

「安楽」とは程遠い場所に脳みそを送る、
という計画に、抵抗なく知り合い(闘病中)を推薦する。
(そのくせ、直前になってめっちゃ後悔する)という思考だけは
共感できませんでしたw

 なお、雲天明はその提案を聞いてショックをうけつつも、
最後まで呪われた自分の一生をあざ笑いながら、提案を受け入れます。
そこに地球を救う使命感などみじんも感じられません。
そりゃそーだ。

 

でも結局、雲天明は程心を救うことになります。
個人的には雲天明は人類を裏切ってもおかしくないと思っていたので、
これは意外でした。
智子を通じて、程心を待ち受ける運命、そして苦悩を
共有していたのかもしれませんね。

 

ひねくれたやつほど強い。ウェイドさんの予想、大当たりですw

 

現実は非情である 

第2部の終わりでは三体文明と仲良くやっていく未来もあるのかな、
と想像していましたが、現実は非情。
そんなお花畑展開にはなりませんでした。

三体文明と地球の膠着状態(本作では暗黒森林抑止と呼びます)を
大量破壊兵器を抱えて冷戦状態に陥った、西側諸国と東側諸国
に例えるシーンではハッとさせられました。

三体文明との戦い、暗黒森林抑止は決して空想の産物ではなく、
現実世界で起きたことの延長線上にあったのだと。

 

そもそも、本作の太陽系文明の結末って、
元をたどれば葉文潔による電波送信に端を発してますし、
そのきっかけは文化大革命なのですよね。

 

文化大革命という、宇宙的にミクロな出来事が、
太陽系の命運を左右する、、、
「人間ってオロカだなあ」といってしまえばそれまでなのですが、
ミクロの出来事をここまでスケールアップさせて書ききった本作、
まじですごいです。

 

個人的な疑問

第2部で登場した「精神印章」「刻印族」のみなさん、
って結局どうなったのでしょう。
結局あまりストーリーには影響しなかったような、、、
誰か教えてほしいw

 

さいごに

繰り返しではありますが、3作品、全ておもしろかったです。
最後まで読み切れて本当によかった~!!

 

おしまい。