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ユーリの信念が問われる3作目 機龍警察 暗黒市場 感想

記事内のリンクには広告を含みますが、本の感想は全て正直に楽しく書いてます。ぜひ最後までお楽しみください★

死亡した捜査官が決死の思いで残した手掛かりには、市場に流出した新型機甲兵装の情報が残されていて……

SFでありながら、今一番熱い、警察小説でもある機龍警察シリーズ。 その3作目、龍機兵搭乗者、ユーリの過去にせまる、暗黒市場の感想を書きました。

 

機龍警察 暗黒市場 上
機龍警察 暗黒市場 上 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
 

 

機龍警察 暗黒市場 下
機龍警察 暗黒市場 下 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
 

 

 

機龍警察 暗黒市場 あらすじ

唐突に、警視庁との契約を解除されたユーリ・オズノフ元警部。ユーリは旧知のロシアン・マフィアに近づいていた。

一方、市場に流出した新型機甲兵装が〈龍機兵〉の同型機ではとの疑念を抱く沖津特捜部長は、ブラックマーケット壊滅作戦に着手。

闇に潜むロシアの犯罪集団に、ユーリと特捜部が立ち向かう!

 

 

著者 月村 了衛氏と機龍警察シリーズについて

デビューはシリーズ 1作目に当たる 機龍警察

「警察組織」や「悪い奴ら」が登場する作品を多く執筆されています(←管理人わんこたんの個人的なイメージ)虚の伽藍は直木賞候補作として話題に。

以下に著書の一部を並べました(書影クリックでAmazonの作品ページにジャンプ)。

普通の底
奈落で踊れ (朝日文庫)
虚の伽藍
コルトM1851残月 (文春文庫)
土漠の花 (幻冬舎文庫)
脱北航路 (幻冬舎文庫)

 

機龍警察シリーズは、世界中にテロリズムが蔓延し、市街地での近接戦闘を主眼におく兵器「機甲兵装」が台頭した世界が舞台。

テロの危機から国家を守るため、新設された警視庁特捜部。特捜部に配備された3台の新型龍機兵の搭乗者、姿、ライザ、ユーリの戦いを中心に描かれる、警察×SF×ミステリー×国際サスペンスな物語です。

おもしろすぎて、管理人わんこたん、ドはまり中なわけです。シリーズ既刊は以下の通り。

 

機龍警察〔完全版〕 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
機龍警察 自爆条項〔完全版〕 上 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
機龍警察 自爆条項〔完全版〕 下 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
機龍警察 暗黒市場 上 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
機龍警察 暗黒市場 下 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
機龍警察 未亡旅団 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
機龍警察 火宅 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
機龍警察 狼眼殺手 (ハヤカワ・ミステリワールド)
機龍警察 白骨街道 (ハヤカワ・ミステリワールド)

 

シリーズの他作品については、以下の紹介記事をご覧ください。

1作目 機龍警察 2作目 自爆条項
3作目 暗黒市場 4作目 未亡旅団
5作目 火宅(準備中) 6作目 狼眼殺手(準備中)
7作目 白骨街道(準備中)

 

3作目 暗黒市場はこのミステリーがすごい!2013年版 国内編で3位、第三十四回吉川英治文学新人賞に輝いています。

機龍警察の良さが、多くの人に知られるようになったきっかけ、といえるかも。

 

機龍警察 暗黒市場 感想

ついに3作目ではユーリ・ミハイロヴィッチ・オズノフ(機体名:バーゲスト)にスポットが。待ってました!

いきなりユーリと警視庁の契約解除→ユーリがロシア裏社会と手を組む?

という裏切り展開ですが、これは潜入捜査だよねーと、読者みんな思ったはず。

そこから第2章で語られるユーリの過去が、またとにかく泣かせるんですわ。

 

あくまで警察官として、正義と公僕をつらぬくユーリが最高すぎる

龍機兵操縦者の3人のうち、専門の戦闘訓練をうけてきた(と思われる)姿やライザと違って、ユーリは警察出身。

陰謀にはめられ、ロシアから逃亡し、流れ着いた日本で生き延びる為にバーゲストへの搭乗を選択。

おそらく戦闘スキルは姿やライザより劣る。でもそれを信念でカバーするユーリはやっぱりかっこよくて最高なのです。

 

  • 過去にユーリを助けたロシアンマフィア、ゾロトフとの邂逅・対峙・決着。
  • 1巻から身に着けていた黒い皮手袋
  • 痩せ犬の三カ条

などなど、散りばめたキーワードをきれいに、もっとも熱いタイミングで回収してくる。ダムチェンコ副局長……

 

ゾロトフとの契約は破棄され、残されたのは龍機兵との契約。

契約にしばられる、という点では変わらなくても、今度は自分の選んだ道を歩いていくユーリ……

警察官というのは正義の象徴でありつつ、その国の政府には絶対に逆らえない、公僕(犬)でもある。

ロシア警察官時代には、成し遂げられなかった信念。今度こそ日本の警察官として、正義の公僕でありたい。そんなユーリの決意を感じるラスト!最高でした!

 

結局、<敵>の正体はつかめず

暗黒市場で、龍機兵搭乗者3名全員の見せ場が一通り出そろいました。

しかし結局、日本の警察に巣くっているらしい<敵>の正体はわからず。

警備企画課の小野寺と、その上司、堀田課長が敵なのか味方なのかも、相変わらず不明。<敵>が警察組織内だけでなく外務省にもいるらしい、というふんわりした情報しかわからなかった……

 

相変わらず先を見通しつつ内心を明かさない、謎めいた沖津さんの行動も、「沖津さん、いったいどこまで考えているんだ。。。」と驚いてばっかりの城木・宮近コンビもちょっと見飽きてきたので、そろそろ新展開に期待!

 

關 剣平(クワン・ジェンピン)が、またまた暗躍

第1巻で登場した、香港有数の実業会「馮グループ」の日本代理店「フォン・コーポレーション」のCEOとして登場した馮と、その右腕、關(クワン)。

中国黒社会とのつながりが匂わされ、いかにも怪しい動きをしていた關が、3作目 暗黒市場で、またも動いていました。

今回の關は、中国政府の手先として、バララーエフ捕縛のために動いており、実は4つ巴(5つ巴?)の戦いであったことが明らかになります

 

  • 武器商人バララーエフ:東日本大震災で壊滅した日本の漁村跡を隠れ蓑に、武器取引で一儲け
  • 中国政府:ロシアの汚点であるバララーエフを捕まえて、天然ガス輸出をめぐるロシアとの対立を有利に進めたい
  • ロシア政府:中国の手に落ちる前にバララーエフを始末したい。(実はゾロトフは、マフィアと見せかけてロシア政府の手先だった)
  • 日本警察:日本で武器取引を行うバララーエフを逮捕したい
  • <敵>:???(日本警察の妨害をしてくる)

 

今回、結果的に關はユーリの命を助けることに。(バララーエフを捕まえたいという、利害の一致のため)

いずれ關と正面切って戦うことになるのでしょうか。今後の展開に注目したい!

しかし勢力関係がややこしい。こうしてブログに書かないと、忘れてしまう。

 

今回新しく登場した機甲兵装

  • 新型機甲兵装 キキモラ
    パキスタン政府が機体返還を要求しているが、日本政府は応じていないとのこと。
  • バーバヤーガ
  • フレヴニク
  • ドヴォロヴォイ

今回は対ロシアマフィアということで、スラヴらしいネーミングの機体が多数登場。

 

新しくでてきた人物たち。今後のストーリーに関わってくるのか?

  • 伊良賀 久平

長年ロシアとの北方領土返還交渉に取り組んできた古参議員。ロシアに太いパイプを持ち、対露交渉に欠かせない人物とされ、外務省も頭が上がらない様子。

どこかのムネオを思い出します笑

 

  • <海>の黄

サハリン周辺組織のリーダーの老人。抜け目のない「玄人」らしい、というのは關の評。ロシア警察から逃亡したユーリは、一時期この黄のもとにいました。

いずれ再登場なんてことも……ありうる?

 

機龍警察 暗黒市場 上
機龍警察 暗黒市場 上 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
 

 

機龍警察 暗黒市場 下
機龍警察 暗黒市場 下 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA)
 

 

機龍警察 暗黒市場の次に読みたい おすすめ作品

次に読みたいおすすめ書籍をまとめました。

 

同志少女よ、敵を撃て /逢坂 冬馬

 

心をうつ、傑作戦争小説

独ソ戦が激化する1942年。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために、戦うことを選ぶソ連の女性狙撃兵セラフィマ。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?

リアルな戦場描写と、結末が心にしみる傑作長編。すべてを失い、新たな仲間を得て、真の敵を見定めようとするセラフィマの姿は、機龍警察のユーリにつながるものがあります。2022年本屋大賞受賞作。

 

同志少女よ、敵を撃て
同志少女よ、敵を撃て
 

 

感想記事はこちら▶︎同志少女よ、敵を撃て/逢坂冬馬 あらすじとネタバレ感想 - わんこたんと栞の森

 

可燃物 /米澤 穂信

 

冷静沈着。寡黙な刑事の推理が光る

寡黙で冷静、周りからは若干疎まれつつ、優れた判断力で黙らせる。群馬県警の葛(かつら)警部が主人公。

龍機兵に搭乗者するメンバーのような個性はなくとも、地道な捜査で犯人の本性が炙り出される過程がたまらない!「捜査特化型」の警察小説です。

 

可燃物
可燃物
 

 

感想記事はこちら▶︎いぶし銀の魅力が光る「捜査特化」ミステリー 可燃物 感想 - わんこたんと栞の森

 

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