以前も記事で書いた気がするのですが、
ジャンプ作家の松井優征作品の大ファンです。
というかもはや松井先生の全作品(読み切り含む)が好きなので
作家推しというか箱推しといっても過言ではないかもしれぬ。
ネウロを本誌で途中から読み始めてめちゃめちゃはまり、
最終話までめちゃめちゃ楽しませていただき。
(ネウロは最終話までグダらず、美しく終了したのですよ、、、)
そして2作目暗殺教室、3作目逃げ上手の若君と、続くわけなのですが。
松井先生の掲載している「週刊少年ジャンプ」は読者アンケートで
連載継続・打ち切りをシビアに判断しますので、
特に新連載で人気がない作品は、即打ち切られます。
(最近はあまり見ない気もしますが、新連載が3作品くらい始まって、
でも人気がなく10週ちょいで打ち切りになったりとか。)
いくらファンとて、いくら松井先生とて、新連載なら容赦はせぬ。
面白くなければアンケートなどいれてやるまい、
という、謎の上から目線批評をきどって、
暗殺教室、そして逃げ上手の若君の1話目を読んだわけです。
そして、松井先生は1話目から読者のこころを
がっちりつかんで離さないのです。
おかしいなあ、すごい厳しい目でみているはずなのに、
逃げ上手の若君もきがつくとアンケートは(自分の中で)ぶっちぎりの一位で
投函していました。
そして、2話目以降もお話の面白さが途切れない。
すごいなあと思います。
以下、ジャンプ本誌30号のネタバレ含みます!!
逃げ上手の若君、は主人公が対峙する敵役がすごく魅力的なうえに、
その敵役によって味方キャラを引き立てるのも
めちゃくちゃ上手になっていると思います。
あまりに鮮やかな手際。ネウロも、暗殺教室もこれほどではなかった(多分)
まず敵役がちゃんと強く、脅威なのです。
その脅威の裏付けとして、史実(歴史ものですし)を織り交ぜているので
スキがない。
敵役、小笠原氏については、
「武芸に秀でている」という逸話をベースにしつつ
犬追物とか、弓手、馬手みたいな「歴史豆知識」を織り交ぜることで、
その強さをしっかり描写。
実際に犬追物(変則ルール)では、さすがの小笠原氏、
主人公にバシッと矢をあてています。
犬追物だから矢じりはついてないので当然あたっても死なないのですが、
実戦だったらここで小笠原氏の勝利です。
そのうえで、時行の能力「逃げ上手」をいかしつつ、
変則犬追物ならではのルールを生かして、最終的に時行は小笠原氏に勝利します。
最後に「偶然耳にあたる」のも、耳を射られた巫女さんのエピソードを回収しつつ、
狙って耳にあてるほどの技量が時行にはないことを示していますね。
実戦だったら負けてたけど、特殊ルール下では勝てる、
という絶妙な塩梅。読者もカタルシスを得られるし、
かといって、小笠原氏の格も落とさない。
みごとなパワーバランスだったと思います。
松井先生こんなにマンガうまかったっけ、、、(失礼)
敵の格を保ちつつ、変則ルール下で時行の強さを描く!というのは
瘴奸入道戦でも健在。
瘴奸の村攻めのうまさとか、大鎧の強さをこれでもかと押し出して、
でも最終的には時行が勝つ
(しかも読者が納得できるやり方で)
(主人公だからこそできる、じひぶか~い技で)
という魅せ方がめちゃくちゃよかったです。
ネウロに慣れてる(?)せいか、瘴奸の回想シーンが入ったのは意外でした。
回想シーンしつつ、当時の歴史的背景(子にわたす土地がない!)とか、
今後の登場人物のチラ見せ(楠木さん!)もこなしつつ。
松井先生こんなにマンガうまかったっけ、、、(失礼)(2回目)
美しい仏様が、、、、の次のページでは床も壁も血だらけ
地獄絵図!という、絵のインパクトもよかったです。
瘴奸さん、手を合わせて笑ってるよ、、、
おしまい
逃げ上手の若君は現在1巻発売中、2巻も2021/8/4発売です!
今回掲載した話はおそらく3巻以降の掲載なので、既刊を読んで追い付きましょう笑
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