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(読了/前編)読書感想文/そうだったのか!中国

記事内のリンクには広告を含みますが、本の感想は全て正直に楽しく書いてます。ぜひ最後までお楽しみください★

※一部、文章を整備しました 2021/9/7

池上彰さんの「そうだったのか」シリーズ
「そうだったのか!中国」ひととおり読み終えました。

 

以下はAmazonより抜粋

 

急速な経済成長で世界に圧倒的な存在感を見せる中国。一方、日本にとっても中国との二国間関係は重要性の度合いを強めている。隣国でありながら、こと現代史については学ぶ機会の少ない日本の私たち。だが、今こそ知るべきではないだろうか。2005年に上海で起こった「反日」運動を検証しつつ、チベット問題、天安門事件、台湾問題、そして経済格差など、複雑な中国現代史を分かり易く解説する。

 

とにかくとにかくわかりやすいです。
さすがは池上本。

池上さん、今は各局の報道番組に引っ張りだこですが、
私の世代的には「NHK 週間こどもニュース」のおとうさん役としての印象が
めちゃ強いです。

 

なお今回の感想文は2部構成

前編:主に文化大革命に関する感想
後編:そうだったのか!中国 全体についての感想
となります!(後編は執筆中、、、
後編へのリンクは最下部にございます。



今回こちらの本を買ったのは「文化大革命」について勉強するのが
メイン目的だったので、まずはその点について簡単に感想をつらつらと。

文化大革命について」と書きましたが結局のところ
毛沢東の人物像について」いろいろ考えるきっかけとなる本でした。

毛沢東」「蔣介石」「鄧小平」、、、
名前は知ってるけど名前しか知らない、、、
そんな人物たちの関係性も、スッキリ整理できました。やったね。

 

 

感想(前編)

 

文化大革命毛沢東が権力を取り戻すために引き起こした

 

大躍進政策」の失敗もあって、共産党内で地位が低下していた毛沢東
地位を取り戻すために、当時権力を握っていた劉少奇らの批判を始めます。

その同時期に、毛沢東思想に共鳴した学生たちが「紅衛兵」となって
暴動を起こし毛沢東に味方します。
(これが1966年~1976年の10年間にわたる文化大革命のはじまりです)
なぜ「紅衛兵」が組織されたのか、裏で誰かが(毛沢東が?)糸を引いたのでは?と思わず想像しますが
この点については、本書では「はっきりしない」と記載されています。

 

しかし暴動が激しくなり、紅衛兵同士で派閥を作って争いあうなど、
収集がつかなくなってきたことをうけ、大量の紅衛兵
都市部においておくことで逆に自分の立場が脅かされるかも?と判断、
「知識青年は農村に行って学ぼう!」という名目で
青年たちを農村に追いやります。
(下放というそうです)

 

農村に行くといっても、中国は広大ですからね、、、
ものすごく辺鄙な荒れ地に追いやられたようです。

 

ちなみに中国発のSF小説「三体」では、紅衛兵の暴動、暴走によって知識人が
リンチされる場面、その後に紅衛兵たちが地方に「下放」される様子が描写
されています。

 

あくまで暴走した紅衛兵たちとその末路、という感じで描写されていて、
文化大革命という混乱を引き起こした毛沢東はじめ当局側の詳細描写は
されていません。


中国内で出版出来る内容に留めるため、、、ということなのでしょうか。
あくまで個人的な推測です。

 

「三体」自体はめちゃくちゃおもしろいSFで、
最近邦訳版も完結したので、ぜひ読んでね!

 

 

毛沢東は権謀術数に長けていた?

文化大革命ではうまいこと紅衛兵を利用しつつ、
用済みになったら地方にポイしたわけですが、
毛沢東は同じことを過去にも行っています。

1920年代後半、毛沢東含む共産党と、蔣介石率いる国民党が争っていた時代
毛沢東は地方の農民に土地を与えて喜ばれ、彼らの支持を得たことで
国民党に対して優勢にたちます。

 

しかし、

 

共産党が中国を支配するようになると、一転、農民を農村に縛り付けて
都市に出てこられないようにし、暴動や反逆の芽を摘みます。
利用するときは利用しつつ、状況に応じて突き放す、
冷徹な戦略家としての判断がうかがえます。

毛沢東の戦略家・裏工作エピソードはたくさんあって
ここには書ききれないです。。。
詳しくは本書で!、
とにかく共産党が勝つために、自身が権力を握る為に、
敵である国民党も、そして日本軍すらも利用します。

とにかく
「こいつすげーなやべーなあたまいいな
なんでもりようするな」

という気持ちになります。すごい&恐ろしい。

ところが一旦権力を握ると、大躍進政策など歴史的には「失敗」とされる
政策を連発。

トップに上り詰める能力に秀でているのに、トップになると
途端に下手を打つ、、、という印象を個人的には抱きました。


毛沢東は生涯にわたってソ連以外の国を訪問することはなかったようなので、
外の国を見る経験に恵まれていたら、また違った結果になったのかも、、、
しれません。

 

・純粋な共産主義志向?

 

毛沢東共産主義でもって全世界を統一することを目指し
マルクス・レーニン主義を貫き、資本主義分子を徹底的に排除しようと
しました。
本書を読む限りでは、マルクスの理論をどうやって実現するか、
どうやったら完ぺきな共産主義社会が実現するのか。
毛沢東はかなり純粋に真剣に考えていたように感じました。

 

(その結果が大躍進政策、大飢饉による被害、国力低下なのですが、、、)

 

現代の中国は共産主義といいつつ、ほぼほぼ資本主義経済を導入しています。
共産党という一党独裁政権による管理下の資本主義という感じでしょうか。
この未来を知ったら、毛沢東めっちゃ怒るのでは?と想像してみたり、、、
(2021年9月現在、なにやらそのあたりも変化しているようですが)

news.yahoo.co.jp



 

しかし、資本主義の導入によって、結果的に中国が発展してきたのも事実。
このあたりは鄧小平という人物が大きな役割を担います。
詳しくは本書を読もう!ということで割愛。

・歴史のIFを考える 毛沢東大躍進政策が成功する可能性はあったのか?

大躍進政策が成功するためには、

科学的な知見に基づいた農業政策
腐敗した役人によらない完ぺきな監視・管理システム

などは絶対に必要だったでしょう。当時はおそらく無理だっただろうな、、、

完ぺきにコンピューターによって管理できるシステムがあって、
かつ高い技術力と高い生産能力があって、国民の健康も確保できて、
反乱が起きないように国民に与える知識量を完ぺきにコントロールできる
システム、、、

 

あれ、これってFGOの2部3章かな???

 

おしまい。

 

後編に続く

 

wan3ko5tan.hatenablog.com