こちらは池上さんの著書「そうだったのか!中国」の感想の後編になります。
こちらでは書籍全体の感想をサラッと。
※感想の前編はこちらです。
本書のポイント
・中国に影響を与えた(あるいは影響を受けた)主要各国との関係性を
整理して学べる。
・ソ連との関係
・日本との関係
・アメリカとの関係
・イギリスとの関係
・台湾との関係
・チベットとの関係
など、、、!
例えば
中国は共産主義国家ですが、同じ共産主義のはずのソ連とは、協力し合ったり
対立したり、、、なぜ?
そういった疑問もすっきり解説されています。
個人的には、 台湾と中国の関係を解説した
第七章 国民党は台湾に逃亡した が良かったです。
台湾はよく、「親日国家」であると表現されます
今の日本はどちらかとえば台湾との関係性を深めようとする傾向を強めています。
例えば安倍首相の↓の発言とか。
台湾のWHO参加、安倍首相が支持表明 「歓迎と感謝の意」=外交部 | 政治 | 中央社フォーカス台湾
でも1970年代、日中国交正常化がなされたころ、日本と台湾の関係性は
今と大きく違っていたようです。
台湾は親日国、素晴らしい国、そう安直なキャッチフレーズで理解するのではなく、
どうしてこのような国家になったのか?と理解するの重要性を
思い知らされる章でした。
私は本書を読んで、台湾(台湾の人々)は、強国の都合や国内政治の不幸に
翻弄されながらも、強かに活路を見出そうとする、
強い国(人々)だな、と感じました。
みなさまはいかがでしょうか。
・謀略の歴史と大量の登場人物
中国の歴史は謀略に次ぐ謀略によって移り変わってきた、とも言えそうです。
特に毛沢東の周辺人物については、人物数が多いこともあり、
いったい誰が毛沢東の味方なの?敵なの?という関係性がとても分かりづらいです。
(雑に説明すると、最終的にはだいたい敵になるんですが)
蔣介石?林彪?4人組?周恩来?鄧小平? ナニガナンヤラ~
状態の私でしたが、本書のおかげでばっちり整理できました!笑
・一応の注意点(かも)
本書は中国に関連する様々な書籍から多くの情報が引用されています。
一次情報(実際に送られた書簡とか、当人の書いた文書とか)ではなく、
中国近代史を研究する研究者たちが、一次情報をもとにまとめた書籍を
引用しているので、二次情報の引用、ということになるでしょうか。
実際に引用している書籍が正確な記載をしているのか?という点については
正直、よくわかりません。
池上さんは研究者ではなく、あくまでジャーナリストとしての立場で
本を書いていらっしゃいますので、そこは仕方ないのかなという気がします。
というわけで、本書でも参考資料として引用されている
「文化大革命/矢吹晋 著」もきちんと読んでいきたいなあと思います。
でも、正直、中国の近代史はちょっとおなか一杯なので、そのうちに、、、
・コロナ後の中国について
この本、2007の出版ですが、それから13年経過。
今世界は中国発のCOVID19問題でおおわらわです。
特にアメリカでは多くの人が亡くなってしまい、トランプさんは中国に対する
批判姿勢を強めています。
中国の立場は微妙な状況になりつつありますが、これが今後の中国にどのような影響を
及ぼすのか、、、注意しながら見ていかないとな、と感じました。