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(読了)読書感想文/舞踏会へ向かう三人の農夫(上巻)

この難解な本をやっと読み終わりました。まだ上巻ダケドネ!

・本書の基本的な背景

以下はAmazonから転載

それは1914年のうららかな春、プロイセンで撮られた一枚の写真から時空を超えてはじまった―物語の愉しみ、思索の緻密さの絡み合い。20世紀全体を、アメリカ、戦争と死、陰謀と謎を描ききった、現代アメリカ文学における最重要作家、パワーズの驚異のデビュー作。

 

原作の出版は1985年、わりと古いので、まずその前提で読む必要があります。
著者 パワーズは、20世紀を代表する写真家アウグスト・ザンダーの作品のひとつ
"The Farmers"にインスピレーションを受け、本書を執筆しました。

 

本書の表紙に使われているのがまさにその写真。
正装できちっとした格好で、おもむろにこちらを向いたような男性3人と、
背景(ぼかされててはいますが、明らかな農村地帯であることがわかります)との
ギャップが、なんとも言えない味わいを出しています。

 

ちなみにザンダーは、ポートレイトによって20世紀という歴史の姿を
克明に記録するために、
「20世紀の人間たち」という写真集を考案し、作成しようとしていたそうです。
詳しくは以下のサイトで。

ドイツの写真家、アウグスト・ザンダーが20世紀初頭に試みた、ポートレート写真によってひとつの社会の全体像を記録しようとした作品。

https://artscap

『20世紀の人間たち』アウグスト・ザンダー | 現代美術用語辞典ver.2.0

 

本書では、筆者パワーズによって、写真に写る3人の男性に名前と物語が与えられ、
そこから時代と空間を超えたストーリーが展開されていきます。

 

・おおまかなあらすじと構成

本書では以下3つの舞台が準場に描かれながらストーリーが展開していきます。

 

A デトロイトで3人の男性が写った写真-"舞踏会へ向かう三人の農夫"-と
運命的な出会いを果たす「私」。
写真に写る人物の正体を知ろうとするが、鍵を握るのは
同じ会社で働く掃除婦のシュレック氏だった。
 

B 1914年5月、舞踏会へ向かうヴェスターヴァルト(ドイツの都市)の3人の農夫、
ペーター、アドルフ、フーベルト。

そして道端で彼らと出会い、写真を撮ろうと申し出る写真家。

 

C 1984年10月29日 ボストン 復員軍人の日のパレードを眺めつつ仕事をする
ハイテク機器雑誌出版社の社員 メイズ。パレードを見つめる彼の視界に偶然映り込んだ
赤毛の女性」に惹かれ、正体をつきとめるべく奔走する。

 

A 「私」のパート

「私」の視点を通して20世紀という時代を生きた偉人たちに
ついての考察が展開されます。
自動車王フォード、大女優ベルナール、そして写真家のザンダー、、、

ストーリーが進むのかと思いきや、いろんな偉人の生涯やら歴史の考察が始まり、
まあ、ぶっちゃけ、面食らいます汗。

 

3人についての詳細はこちらの記事で

wan3ko5tan.hatenablog.com
写真の男たちの正体について、鍵を握ると思われる掃除婦のシュレック氏。
彼女はいったい何者なのでしょうか。
そして先述した偉人たちは、どのように物語に関わっていくのでしょうか?

 

B 「3人の男」のパート


第一次世界大戦の勃発に巻き込まれた3人の数奇な運命が描かれます。
なお3人は全員シュレック家の「息子」たちなのですが、それは戸籍上の話で、
全員父親はバラバラです。

 

シュレック家」とのことですので、どうやらAパートのシュレックおばちゃんとは
何らかの関係がありそうです。あるよね?

 

ひとりは偶発的な戦闘で死亡し

 

ひとりはドイツ軍に従軍するうちに国家への忠誠にめざめ 

 

そしてもうひとりは、、、
思いもよらぬ出会いから、思いもよらぬ運命へと、導かれていきます。

 

C 「メイズ」のパート

 

メイズが偶然見かけた「赤毛の女性」の正体に迫っていきます。
詳細は書きませんが、こちらにもなにやらAのパートとのつながりをにおわせる
描写が登場します。

 

・上巻読んでみたけど、どうよ?

 

上巻まで読んでみて、おもしろいかといわれると、、、
うーん、正直まだ分かりません汗


A、B、Cがどのように関わり合っていくのか、下巻で明かされる、、、はずなので、
それを楽しみに下巻の読書スタートです。
、、、ちゃんと種明かしがなかったら怒るかも笑

 

そして本書では、独特の言い回しが多く登場します。(翻訳の影響もあるかも?)
これを本書ならではの味わい、、、といいたいところですが、なかなか読みづらくて
苦労しました。

例えば 

 

"ダグ・ディレイニーの声は発展途上国の手に渡ったファントム・ジェットに酷似していた。その機銃掃射は、『マイクロ・マンスリー・ニューズ』誌が「フル・ユーザー=プログラマブル」コーヒーと呼ぶものを生成する、物言わぬプラスチック本体+プリント基板から成る機械を標的としていた。だが機械の方は、ずっと以前にみずからのソフトウェアを書き換えてしまっており、いまでは「温め直しモード」から一歩も動こうとしなくなっていた。機械に入っているマイクロプロセッサは、さまざまな決断を千分の数秒で下すことができる。だがそれは、いつも決まって、何度でも同じ決断を下すのだった──水を六十五度まで温め、下で待っているフラスコにぽたぽた垂らす。一九一七年、激戦地アルデンヌに在った合衆国陸軍の編み出した方法(大鍋一杯のぬるま湯にコーヒーかすを入れてかき混ぜる)の方が、味においても処理量においてもICテクノロジーに優っていたと言わねばならない"

 

コーヒーメーカーの調子が悪いことを描写するだけなのにこの文章量。改行なし。
うーん、重たい。

下巻の読了がいつになるのか、不安です。