ここ1,2年で感染症の蔓延予測を数理モデルで~みたいな話を
耳にしたこともあり、
数理モデル=人の行動を数式で表し、行動結果を計算によって導き出す
みたいなイメージを勝手にもちつつ、本書を読みました。
実際の数理モデルの世界はもっと多岐にわたっていて、
様々な活用例があることを、知ることができました。
本書ではその「活用例」を、身近な場面から紹介してくれるので、
非常にとっつきやすいです。
経済学で耳にするゲーム理論、とか、統計解析についても
本書では触れられています。
「ランダム化比較試験」と「適切なサンプル数」を
セットで説明してくれるところが、個人的にめちゃめちゃ良かったです。
これらも数理モデルの、いちジャンルだったのね。
(サンプルサイズの重要性について、
恥ずかしながら良く理解しておりませんでした、、、)
・計算の説明がめちゃくちゃわかりやすい(でもやっぱり難しい)
理論の説明をするために、本書では様々な「命題」が提示され、
命題の証明にまでさかのぼって、丁寧に丁寧に説明してくれます。
ガンダムを筆頭に小ネタも交えて、途中式の展開の仕方まで
参考書並みに、めちゃめちゃわかりやすく書かれていると思います。
(ただし、自分はガンダムに詳しくないので、
ガンダムネタはあまり刺さらなかった笑)
※本書の登場人物「青葉」と「花京院」によるわかりやすい説明については
こちらの記事にも書きました。
が、それでも、やっぱり難しくて、途中式を理解できないまま、
読み進めざるを得ない部分もたくさんありました。ぐやじい。
本書の登場人物「花京院くん」によれば、
紙と鉛筆を準備して、アウトプットしながら理解するのが大事なのだと、
頭の中だけで考えても限界があるよ。と。
ちゃんと紙と鉛筆用意して、本書を読み直したい。
というか、高校数学を最初から勉強しなおしたい。
積分とか極限とかΣとかの先に、こんなに美しい世界があるなんて!!
と思わせてくれます。
この本、数学の勉強意義に悩む高校生に読んでもらうのが一番よい
のかもしれない。
文系だろうが、理系だろうが(そもそもこの区別って意味あるのか?)
数学、めちゃ使うよ!役に立つよ!社会とつながってるよ!
というのがよくわかります。
(なお、著者の浜田氏は東北大学院文学研究科 教授です)
高校時代の自分に聞かせたい言葉がいっぱい
個人的には「わからないときは」の項の
ジグソーパズルのたとえが好きです。
ジグソーパズルでわかる場所からピースを埋めて
最後に全体を完成させるのと同じように、
わかる部分を少しずつつなげていくことで、あとから
難しい部分を理解することができるようになるよ。
とのこと。めちゃくちゃ勉強の励みになる。。。
ジグソーパズルの例をはじめとして、数理モデルの説明を抜きにしても、
高校時代に聞きたかった「名言」がたくさんつまっています。
タイムマシーンほしい!
おしまい。