この記事の概要・ポイント
投資家のバイブルともいわれる、「ウォール街のランダム・ウォーカー」
500ページあり、難しい部分もありますが、ぜひ、多くの方に全文読破チャレンジしてほしい!
全文読んでほしい理由と、読みやすくするポイントをまとめました。
\\長く読み継がれ50周年//
ウォール街のランダム・ウォーカーってどんな本?
ずばり、インデックスファンドへの投資がベストというシンプルな主張をデータを基に論じている書籍です。
投資家界隈ではバイブルとも言われる超有名本。あちこちで引用されたり、要約されたり、図だけ切り取られて紹介されがちですが、内容を正しく理解するためにも、ぜひ、全文読んでみてほしい!と、わんこたんは思っています。
こんな人におすすめ!
- 投資家さん
- これから投資で資産形成を始めたい人
すでに投資をされている方からすると、
- インデックス投資家以外には関係のない本でしょ
- 自分はもうインデックス投資を始めているから、読まなくていいでしょ
と思われるかも。しかし、そんなことはありません!
「ウォール街のランダムウォーカー」ではインデックス投資のみならず、暴落の歴史から債権投資、ポートフォリオの組み方、最新の投資戦略についても言及されています。
長い人生で投資を継続するにあたり、必要な知識の土台を、どっしりと作ってくれる。そんな本なのです。
こんな人にはおすすめしません
実は、「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、本文中にはっきりと「この本はこんな人には向いていないよ!」と書いてくれています。親切!
投機家は2、3日あるいは、2、3週間の間に大儲けする事を狙って株式を取得する
本書は「投機家」にとっては何の役にも立たないことを、あらかじめお断りしておきたい
(ウォール街のランダム・ウォーカーより引用)
また、テクニカル(チャートの形を元にした取引)を重視するデイトレードや、仮想通貨取引については、かなりボロクソに書かれております。あらかじめご了承ください。
管理人わんこたん、この本を読んでから「テクニカル」「仮想通貨取引」に、一切の関心がなくなりました。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」全文を読んでほしい3つの理由
以下に、要約や切り抜きでなく、あなた自身でこの本を全文読んでほしい理由をまとめました。
①作者の意図を正確に理解できる
管理人のわんこたん、この本を読むまでは「500ページかけてインデックス投資の良さをあの手この手で訴えてくる本」と思っていましたが、そうではありませんでした。
切り取られた情報ではなく、直接、筆者の意図を理解することは、今後のあなたの投資にとても役立つはずです。
意外にも、100%インデックス投資しろ、とは書いていないのである
②版改訂ごとに情報がアップデートされている
邦訳版では原著13版が最新。改訂のたびにデータが更新され、筆者の紹介する投資方針も(大筋は変わらないものの)少しづつ修正が加えられています。
一度全文をきちんと読めば、今後の改訂内容も理解しやすくなること間違いなし。
③資産形成のための投資の「方法」「根拠」を自分の頭で理解できる
例えば、大きな相場変動が起きたときなどに、周りの意見に流されたり、動揺したりせずに、自分で考え、どうするべきか判断できるようになります。
※以下、本書の内容に触れる記載がありますが、第12版の記載に基づいていますので、ご注意ください。※
難しい「ウォール街のランダム・ウォーカー」どうやって全文読む?
毎日コツコツ 読む。これだけ。(ああ、怒らないで〜)
全500ページ→1日20ページなら約1ヶ月で読み切れます。
管理人のわんこたん自身、途中、出産で読めないかった時期をはさみつつ、4カ月かけて読破し、この記事を書きました。
途中でお休みしても本は待っていてくれます!時々お休みしても大丈夫。気長に読みましょう。
本書の構成と全文読むためのポイント
本来、本は冒頭から順番に読むべき、です。
著者が読者が理解しやすいようにそのように構成し出版しているのですから、順番に読む方が絶対にわかりやすい。
それでも、少しでも簡単に読めるように、「後回しにしてよい章」「優先的に読んでほしい章」をまとめてみました。
後回しにしてよい章
難しくて読むのが辛い方は、次に示す章は後回しにして、肩の力を抜いて最後に読むのもいいでしょう。
- 第6章 テクニカル分析批評について
- 第11章 新たに登場した投資手法について
第6章は、テクニカル分析批評に関する章です。資産形成目的で長期投資する場合は
テクニカル分析に触れる機会はほぼないので、後から読んでもよいでしょう。
第11章は、新たに登場した投資手法について、説明しています。新しい理論で検証期間が短いものも含まれるため、参考程度に最後に読むくらいがちょうど良いかも。
優先的に読んでほしい章
以下の章は、難易度が高いですが、ぜひ優先的によんでみていただきたいです。
- 第8章、第9章:「ベータ」について
第8章、第9章には、おそらく本書の最難関にして最重要キーワード「ベータ」が登場します。
ベータとはリスク尺度を表す言葉。第8章でその意味と重要性が、第9章で「ベータ」の限界が示され。本書の最終的な結論にもつながる重要な章です。
その他の章
第6,8,9,11章以外について、下記にまとめました。難しい本ですが、多少の冗談もまじえて軽いタッチで書かれていますので、ぜひ気楽におよみください。
- 第1章 ランダムウォークとは何か?
本書の導入であり、ページ数少なめ。サクッと読めます。 - 第2章 第3章 第4章 バブルの歴史について。
「バブルの歴史」について、小説のように楽しみながら学べます、第12版時点ではチューリップバブル〜ビットコインバブルまで網羅しています。
「歴史は繰り返すこと」「人は歴史から学ばないこと」を痛感させられます。2024年2月は上昇相場でしたが、そんな浮かれたくなる時に読んで、気持ちをひきしめたくなります。
バブルの歴史を知りたいあなたにはバブルの歴史をとにかく読みたい!過去の人々の不幸は蜜の味!というあなたには、その名も「バブルの歴史」がおすすめ!
バブル当時の熱狂について、より臨場感を持って味わえます。
- 第5章 第6章 第7章
2大株価分析手法「テクニカル」「ファンダメンタル」投資の成績についての章です。この章を読むと、「短期のチャートの形」に意味はない、と考えさせられます。 - 第10章
ベータ理論が最重要!と書きましたが、第8章と第9章だけでは説明しきれない株価の動きについて、行動ファイナンス理論をもと説明されています。
- 第12章
11章までの内容を元に「財産の健康管理のための10か条」を記載。読みたくなりますでしょ?
ちなみに第1条は「元手を蓄えよ」です。
米国の税制度、年金制度をもとに書かれているため、日本人に厳密に当てはめるのは難しいかもしれませんが、根底の考え方は共通するはず。
さらに、リスク許容度を「安眠度」に言い換えた「投資対象と安眠度」の表が登場し、著者 バートン・マルキール先生のお茶目っぷりを楽しめます。
- 第13章
1947年〜2009年を4つの時代に分け、それぞれの時代の
- 「株価指数の値上がり」
- 「債権リターン(金利)」
- 「物価上昇率」について検証しています。
果たして「インデックス投資が常に正解」だったのでしょうか?答えはぜひ本書で。
「株価」「債権利回り」「物価上昇率」がなぜ密接に関係し合っているのか、めちゃくちゃ丁寧に説明してくれているので、「そもそも」の金融知識を身につけられます。
- 14章
この章に登場するグラフ「株式投資の投資期間と年平均リターンのちらばり方」は、切り取られていろいろな媒体で登場しているので、見たことある方もいらっしゃるかもしれません
退職後に資産から何%取り崩して生活するか(いわゆる◯%ルール)にも言及されています。実は本書、改訂ごとによってこの推奨%が変わっているんです。
毎回焼き直しでなく、しっかり検討して出版してくれているんですね。
- 15章 具体的な金融商品の購入ポイント
最終結論の章です。インデックス投資がいいのはわかった。でも個別株もやりたいんです、マルキール先生、、、!という、わんこたんのような人にも配慮してくれていますよ。
ちょっと難しい単語も出てきます
本書はできるだけ誰でも読めるよう、平易な言葉で書かれてはいますが、初めて投資をするには多少とっつきにくい単語があります。
株価収益率、とか、一株あたり当期純利益、とか。
ちょっと読むのが苦しいな、と感じたら、こちらで箸休めはいかがでしょうか。
ふざけたタイトルと侮るなかれ、株式相場で活躍する単語の意味をわかりやすく説明しています。
実はエピローグが一番面白い
もし全ての人間がインデックス投資のみを行ったら、株式市場は正常に機能しなくなるのでは?
という(積極投資家からの皮肉を込めた)質問に対する、マルキール先生からの、ちょっとおちゃめな解答が書かれています。
この本を全部読んだあなたなら、エピローグまで一滴残さず楽しめるでしょう。
おわりに
いかがでしたか?
この記事が皆様の「ウォール街のランダム・ウォーカー、読んでみようかな!」の
きっかけになれば、とても嬉しいです。
御年90歳超えのバートン・マルキール先生。これからも元気でいてくれたら嬉しいな
内容