タイトルにひかれて購入したこちらの本。
表紙のイラストもポップで面白そうじゃん???
経営者・管理職の必読書!! 人も、組織も、失敗上手が成功を手にします。
本書は、失敗を成功の糧にする「失敗学」のメソッドを凝縮した決定版。あなたの仕事に革命をもたらす1冊です!
で、読了しましたが、正直期待外れでした。ザンネン。
いきなり辛辣な感想で申し訳ない気分ですが、
どうして楽しめなかったか?という点を自分なりにまとめてみました。
・タイトルが中身と一致しない
まずこれ。
「失敗学大全」というタイトルから、
古今東西のいろんな失敗事例が紹介されているのかな?
と期待して読んだが、事例の紹介は少ない。
タコマ橋崩落事故や吉野家の倒産(1980年頃)等、
いくつかの事例への言及はあるが、説明はあっさり。
こういう事例集をもっと詳しく読みたかったので
まずそこが期待はずれでした。(勝手に期待する方が悪いんですがw)
・説明が抽象的
本書は大まかに
○○という要因で失敗が起こる→だから▲▲すれば良い
てな感じでひとつの教訓が2p程度の章に記載され、
この章が40ほど連なった構成になっています。
しかし、上述の「○○」や「▲▲」の説明が非常に抽象的で、
本書の記載だけで「教訓」を実生活や仕事に落とし込むのは
かなり難易度が高いと感じました。
例えば
No15失敗からの回復 より引用
'「お天道さまに向かって堂々と話せるかどうか」ということこそ、
失敗の評価軸として最も適切なものである'
、、、お天道様???
「評価軸」なのに、そんな抽象的な説明でいいの?
と、思わずつっこみ。
・イラストがわかりにくい。
ほとんどの章に、文章の内容を補足するイラスト図が入っていますが、
図のデザインが悪いのか、意味がよくわからないものも多かったです。
イラストの作者について特に記載がなかったので、これは著者の自作かな、、、
例えば
<No46 失敗から想像へ>の章で
「思い付きノートをつけよう」と提案があり、
思いつきノートの概念についてイラストで説明されているが、
これがとにかくわかりづらい。
思い付きノートは、「私(筆者)が日ごろからやっている方法」と紹介されているので、
読者としては「じゃあ実際に著者が作成したノートを見たい!」と
期待するし、その方が実際わかりやすいと思うのですが、
残念ながらそのような配慮はありません。。
・「失敗学」は学問として成立しているのか?
著者は「失敗学」を一つの学問体系として提唱していますが
失敗の要因と対策を著者の頭の中だけでまとめて、
さも学問として体系化しましたよ~という印象を受けてしまいました。
引用文献も同著者の著作ばかりだし、、、
マイナー分野なので、仕方がないとは思いますが。
以上、本書を読みながらモヤモヤした4点をまとめました。
もちろん、筆者は仕事で多くの失敗事例を分析しているわけで、
本書に書いてあることは多分書いてあることはそこそこ正しいし、
非常に役に立つことが書いてあると思うのですが、
これらの欠点の印象が強すぎて私の記憶にはあまり残らず、
あまりためにならなかったなあ。残念。
と、ここまでめちゃくちゃ酷評してしまいましたが、
良い点もありましたので、最後にご紹介 。
・良かった点
・会社の新人さんに伝えたい
No11失敗からの回復より
'失敗したら人の力を借りて元気になろう。
「自分一人ではどうしようもない。だから周りの人の力を借りて元気をもらおう」
と開き直ってしまおう'
自分が失敗したときにこれを心の中で唱えて
精神の緩衝材にしようと思います。
失敗は防げればベストですが、失敗からの精神的な立ち直りも
だいじだと思うので。
会社の新人さんに伝えてあげたいなあ。
・組織のトップ層に読んでもらいたい
No18失敗からの回復より
'(失敗の責任者に対し)’どうしても懲罰人事を行わざるを得なかったとしても、
「これは対外的、形式的な措置であり、会社はあなたの責任だとは思っていない」と本人はもちろん周囲にもきちんと伝え(略
失敗の責任者として個人が特定されることはあるかもしれませんが、
最終的には個人でなく組織が責を負い、失敗の責任者だけが
責められることの無いように、なってほしいなと思います。
感想終わり