全10巻17冊の大ボリュームで、2019年2月に完結しましたが、10年という長きにわたる出版ペースに、脱落した方も多いのでは。
そんな脱落者のひとり、わんこたん。このたび再読開始しましたので、あらすじ、登場勢力、考察、解説をまとめていきます!
ひさしぶりに読んだらめちゃおもしろくてとまらん
天命の標1 メニー・メニー・シープ あらすじ
西暦2803年、惑星ハーブCの植民地メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしていたが、そこに住む人類は臨時総督=領主〈レクター〉の圧政に苦しめられていた。
医師カドムと〈海の一統〉アクリラは仲間を集め、レクターに反旗を翻すが、ハーブCにはある秘密が隠されていて、、、
天命の標1 メニー・メニー・シープ 実は無料で読めます
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実はこの合本版の「おためし版」にメニー・メニー・シープ(上下)がまるごと含まれてるんです(2023年10月現在)
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天冥の標1 メニー・メニー・シープの読む順番は?
そんなの1作目だから一番最初に読めばいいのでは?
と思うかもしれませんが、時系列的には「天冥の標2 救世群」が一番古い(2015年が舞台)ので、こちらを先に読んでも大丈夫です。
2015年の世界からどうして2803年のメニー・メニー・シープの世界につながるのか?ギャップを想像しながら読みたい方は天冥の標1 メニー・メニー・シープから。
まずはとっつきやすい現代パートから読みたい方は、天冥の標2 救世群から読むとよいでしょう。
天冥の標1 メニー・メニー・シープ 解説
天冥の標1作目時点で明らかになる、勢力・キャラクター・地理情報を解説していきます。
天冥の標1 メニー・メニー・シープ ストーリー上の位置づけ
第1作目「メニー・メニー・シープ」のラスト。
メニーメニーシープの首都・オリゲネスにあるフォートピークの地下から大量の○○があらわれ、植民星は存続の危機に。
そして、この世界に存在した「7つの勢力」が示され、2作目へ続きます。
- 医師団 <リエゾン・ドクター>
- 宇宙軍 <リカバラー>
- 恋人 <プロスティテュート>
- 亡霊 <ダダー>
- 石工 <メイスン>
- 議会 <スカウト>
- 救世群 <プラクティス>
この7勢力になにがおきたのか?なぜ人類はメニーメニーシープにいるのか?
天冥の標2 救世群以降では、過去にさかのぼって、彼らのルーツが紐解かれていきます。
惑星ハーブCと、植民都市メニー・メニー・シープの歴史
※以下は天冥の標1で語られている内容です。
26世紀はじまってすぐ(2500年頃)に大型植民宇宙船「シェパード号」が恒星Har-β(ハーブ)に到着。地球から50年かけての長旅でした。
Har-βの3つ目の惑星ハーブCには海と酸素大気があり、ここに植民地を作る計画でした。
しかしなにかの事故のためか、シェパード号は墜落同然の状況でハーブCに到着。
多くの人命の他、植民地に必要な貴重な機材の多くが失われました。
シェパード号の墜落跡地にはフォートピークが建造され、その周辺がメニーメニーシープの首都オリゲネスになりました。
シェパード号はフォートピークの地下に埋まったまま、メニーメニーシープの各都市に電力を供給し続けています。
生き残った20,000人の移民をまとめ、再建の道筋をたてたのが、以下の人々でした
- カリスマ的な政治家 サンドラ・クロッソ
- 同じく政治家の ハン
- 宇宙士官 アウレーリア
- 建築家 ラゴス
- 医師 セアキ
- 謎の存在 偽薬売り<ダダー>
しかし、墜落の影響か、シェパード号に積んでいたロボットの忠誠システムが変更できなくなってしまいます。当時ロボットたちはシェパード号の甲板長<ボースン>である、ユレインが忠誠対象となっていました。
やがて、以降の歴史で、ロボット(軍事力)を支配においたユレインの後継者が大きな権力をもつことになっていきます。
天冥の標1 メニー・メニー・シープ 各勢力
海の一統<アンチヨークス>
陽気で勇敢。 戦士にして漁師。領主〈レクター〉に対する最大の対抗勢力です。
人間ですが、はるか昔に遺伝子レベルで肉体を改造したことで、電気をためて二酸化炭素を分解できます。なので酸素呼吸をせず海の中でもおぼれません。
さらに自身の電気を使った、コイルガン(小型の電磁誘導砲を備えた木製長銃)での狙撃が可能。その射程600メートル!
発射時には体から青白いコロナ放電がみられます。
かつて、
常人より長命、感染症に強いという描写もありますが、肉体的に特別がんじょう、というわけではないようです。(けがをすれば普通に死んでしまいます)
かつて存在した7つの勢力のどれにあてはまるのか、天冥の標1の時点では不明。戦闘力に秀でた描写からすると、<宇宙軍>でしょうか?
海の一統<アンチヨークス>の先祖の物語は天冥の標3 アウレーリア一統で語られます。
天冥の標1 メニー・メニー・シープ 各登場人物
メニー・メニー・シープに登場する主要なキャラクターを紹介します。
※()内は本名
アクリラ(アクリラ・アウレーリア)
- 青い瞳に腰まできらめく金髪。
- 白のヨットパーカー
- ショートパンツ
- サンダルに銀のピアス
- 北欧系の血筋をひいた白い肌、腕も腰も細くて女の子のようないでたち。
メニー・メニー・シープのなかでも好戦的な一族「海の一統<アンチヨークス>」を率いるアウレーリア家の、れっきとした跡取り息子です。
ラストで大きな縦穴?からフォートピークの地下に落ちてしまい消息不明に。
アクリラちゃんがこんなところで死ぬはずないんだ!
彼の運命は?
カドム(セアキ・カドム)
30歳手前、東洋系の血筋、紙は黒くぼさぼさで猫背、いまひとつぱっとしない外見ですが、メニー・メニー・シープの東端の都市セナーセーで診療所を営む医師です。
アクリラとは旧知の仲。医師としての腕前も高いようで、天冥の標1の前半部分では、的確な診断と状況観察で活躍する姿が描かれています。
7つの勢力の中に医師団 <リエゾン・ドクター>というのがありますが、カドムはその勢力の末裔なのでしょうか?
メニー・メニー・シープの羊たち
メニーメニーシープの名前の由来ともなった羊。羊飼いたちが飼育しており、どこにでもいる存在。だが、、、
- 常に電波を発している。
- 羊のそばで半年以上暮らすと、その電波によって牧羊炎という病気になる。
どうやらフィクションの世界の羊とは様子がちがうらしい。
天冥の標1 メニー・メニー・シープ 地理情報
惑星ハーブC
東から日の出がある、「5月なのに寒い」というセリフがあること(つまり本来なら5月は暖かい?)ということから、地球と同じ自転方向で、メニー・メニー・シープがあるのは北半球?などと想像していましたが、、、
ラストで「天蓋」の存在が示され、この考察は意味をなさなくなりました。
人類はシェパード号という宇宙船で、惑星ハーブCに移住した、と説明されています。
化石燃料が存在せず、金属資源も乏しい惑星であり、シェパード号の資源を大部分失った移住人類は、文明発展の停滞を余儀なくされています。
メニー・メニー・シープ東端の都市。セナーセー
カドムやアクリラが住む港町。メニー・メニー・シープの東端にあり、陸繋島です。本土側には放牧地が広がり、羊がたくさんいるらしい。
メニー・メニー・シープの首都オリゲネス