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所得と虫歯のこと 子どもの数のこと【FACTFULNESSを読んで考えた】

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FACTFULNESS-ファクトフルネス- / ハンス・ロスリングを読んで考えたことを
こちらの記事にまとめました。

FACTFULNESSって何?という方はこちら!

所得と虫歯の関係

この本「FACTFULNESS」では世界の人々の所得レベルを1~4に分類してます。

  • レベル1 1日あたりの所得 ~2ドル
  • レベル2 ~8ドル
  • レベル3 ~32ドル
  • レベル4 32ドル~

この所得レベルを横軸、虫歯を患っている12歳以下の子の割合を縦軸にプロットすると、逆U字型になります。

所得が少ない(レベルが低い)と、甘いものを食べられないので虫歯になりづらい。

逆に所得が増えてくると(レベルがあがってくると)、生活費の余剰が生まれて甘いものを食べるようになり、虫歯が増える。

そしてさらに所得が増えると、虫歯などの知識を得られるようになり、また虫歯が減っていく、というのが、FACTFULNESSの主張です。

所得と虫歯の関係をグラフで検証

というわけで、筆者の運営するgapminderで、こちらのデータを実際にみてみました。

各バブルは世界各国を表し、人口が大きいほど大きく表示されます。

大きな二つの赤い丸は、上がインド、下が中国。

右に行くほど所得が増え、上に行くほど虫歯が多いことを意味します。

※大元のデータはWHOの調査(2004年)です。

ふんわり、逆U字型といえる、のかな。

日本の子供の虫歯と所得のはなし

日本では、所得が少ないほど虫歯が多くなることが知られています。

内閣府のwebサイトを読むと、年収300万を下回ると急激に虫歯の割合が増える、と書かれています。

ただし、年収300万は1日あたり約8200円/日。

これは先ほど示した「所得レベル4の基準(32ドル/日~)」を大きく上回っています。世界全体の傾向から、右部分を抜き出したのが日本のデータ、とも言えます。

「所得が下がると虫歯が増える」という日本のデータは、ある意味「日本が所得レベルの高い国である」という証左でもあることを、実感しました。

※ただし、最初にしめしたgapminderのデータと、内閣府のデータでは、虫歯を持つ子の割合に、かなり差がありました。
(日本のデータのほうが、虫歯の割合が大きい)

なので、単純に比較できるわけではなさそう、というのも申し添えておきます。

全ての女性が子供を2人産んでも、人口は増えない。

FACTFULNESSの第3章では、世界の子供の人口が増えていない、というデータが登場します。

今、日本の合計特殊出生率は1.42(2018年)。

合計特殊出生率とは?

ざっくりいうと、一人の女性が一生の間に生む子どもの数

人口が増加に転じるためには、これを2.06以上にしなければなりません。

日本のすべての女性が生涯に2人子供を産んでもまだ足りない。

さらに、20人中1人の女性が3人産まなければなりません。

こどもを3人産むか?問題

こども、3人産む?

わんこたんは女性で、2023年現在子どもが2人おります。

今、金銭的、生活面でなんの不安もないと仮定して、3人目を産むか、と問われれば、答えはNOです。

なぜなら、今の家族で十分幸せ!と思っているから。

昔と違い、労働力のためにこどもを求める必要がなくなり、後継ぎの男子を残すべし!という考えもほぼなくなりました。

現代社会でこどもをもつ動機は「ヒトの生物としての欲求、幸せの追求」みたいな、精神的なものが主なのではないでしょうか。

そんな世界で、こどもを3人以上持ちたい、と思う女性がどれくらいいるのか。

さらに、「結婚しても、子どもは欲しくない」と考える女性が24%いる、という調査データもあるのじゃ

出典:https://www.niye.go.jp/kanri/upload/editor/111/File/04kekka.pdf

幸せの形はひとそれぞれ!

どんな社会を目指すか

このような状況で、人口が増加できるほど(出生率2.06を超えるよう)子供を産んでもらうのは、たとえどんなに福祉政策を充実させても難しいと思います。

「子供の数を増やすため」を目的にするのではなく、もっとシンプルに「市民が困っていること」を解決するためにお金を使ってほしい。

「子供が減ること」「人口が減ること」を悪いこと、として忌避せず、当たり前の未来として受け入れたうえで、現象を前提として社会設計を考えないといけないなあと感じました。

 

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