なんか久しぶりに、するする、素麺食べるみたいに読書している気がします。
こういう読みやすい小説も、時には良いよね。
映画化で話題の吉田修一の小説。都内の2LDKマンションに暮らす男女4人の若者達。「上辺だけの付き合い? 私にはそれくらいが丁度いい」。それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、“本当の自分”を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め…。発売直後から各紙誌の絶賛を浴びた、第15回山本周五郎賞受賞作。
1章では↑の「男女4人」のうち、大学の経済学部3年の「杉本良介」が
一人称となって、物語が進みます。
良介くんは、自分と相手の関係性(特に男女関係)を客観的に見つめるのが
苦手なようです。
それなりに普通の学生生活を送っていて、いろいろ悩みもあるようです。
なお、大学での勉強のことは彼の思考にはほとんど登場しないようです。
私は大学時代、頭の3割くらいは常に
「大学の勉強難しいなあテスト勉強しなきゃなあ」
で構成されていたタイプなので、良介くんのようなタイプの大学生とは
多分相いれないでしょう。(偏見)
登場人物5名、順番に視点が切り替わり、
2章では「大垣内 琴美」が一人称となります。
琴美は、怠惰な生活を送っているようで、自分や他人に対する
分析力はなかなか高そう。
どちらかといえば客観的に自分を見つめているようで、良介くんとは対極な
タイプのように見えます。
そして、物語のキーパーソンとなりそうな、「サトル」がここで登場。
ここからどのように物語が進むのか、
琴美いわく「うわべだけの人間関係だけだからちょうどよい」共同生活が
どのように変化していくのか、
不穏さをなんとなーく感じつつ、、、
楽しみに読み進めております。