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(読了)読書感想文 百億の昼と千億の夜 / 光瀬 龍

記事内のリンクには広告を含みますが、本の感想は全て正直に楽しく書いてます。ぜひ最後までお楽しみください★

今週のお題「SFといえば」

西方の辺境の村にて「アトランティス王国滅亡の原因はこの世の外にある」と知らされた哲学者プラトンは、いまだ一度も感じたことのなかった不思議な緊張と不安を覚えた……プラトン、悉達多、ナザレのイエス、そして阿修羅王は、世界が創世から滅亡へと向かう、万物の流転と悠久の時の流れの中でいかなる役割を果たしたのか?――壮大な時空間を舞台に、この宇宙を統べる「神」を追い求めた日本SFの金字塔。

 

1965年に書かれたとは思えない、壮大な世界観に圧倒されました。
仏教やキリスト教ギリシャ神話等に登場する「神」を
「この世界の外に存在する超越者」として位置づけ、
SF作品に落とし込む、というのは
現代では様々な作品で扱われていますが
(例:メガテンシリーズ、Fateシリーズ等)、
1965年当時としては珍しかったのでは。
(私の理解が間違っていたらすみません、、、)
難解でしたが、読みながら「ワクワクがとまらない!!」という感じでした。
自分なりのワクワクポイントをまとめてみましたので、伝わるとうれしいなあ。

 

 

序章 第一章 〜生々しい原初の地球の姿、生き物たち〜

「序章」では原初の地球のすがたが、
まるで現地で見てきたかのように生々しく描写され、
「第一章」では人類誕生前?の「かれ」を一人称に、
水中の生物達が生き生きと描かれます。

(「かれ」の正体について、第一章では明記されません。
一見、背中に排水孔をもつ魚類のようですが、、、???)

そこに突如現れる、高い知能を感じさせる異質な「装置」
そして陸地を蠢く巨大な物体。不穏な幕開けにワクワクします。

 

第二章 〜プラトンの旅〜

アトランティス滅亡の謎。巨人の存在の示唆。謎の「宗主」との面会。
世界におおいかぶさる不幸の翳(かげ)とは?
唐突に登場する惑星開発委員会」「TOVATSUE」等のワード。
読者をワクワク(混乱)させつつ話は進みます、、、

アトランティス滅亡の謎というスケールの大きなテーマの中に、
プラトンとその付き人グラディウスとの絆が暖かく描かれていて、
個人的に好きな章でもあります。


第三章 〜シッダールタの旅〜

若き王子シッダールタ(お釈迦様)の旅が始まる!と思いきや
いきなり虚数空間に導かれ、世界の危機を目の当たりにし、
兜率天のTOVATSUE市(という名の超ハイテク未来都市)をおとずれ、
敵とされる阿修羅王と面会する、という怒涛の展開。


阿修羅王ちゃん、めちゃ強なのに見た目は少女なんです。
キャラの作り方が現代コンテンツのそれですやん。最高。

そして、56億7000万年後に人類を救済する「弥勒の正体とは?
前章に引き続き、さらなる謎が膨らみますばら撒きつつ、
ワクワクせざるを得ない展開に。

 

ところで、兜率天など、仏教用語が元ネタになっていますが、
仏教の世界観てそれ自体が物凄く壮大でSFチックなんですよね。
宗教とSFて実は相性いいのかも。(下記リンク参照)

http://www.sougi.to/butuzo/syumisen.html

 

結末の解釈について ※ネタバレ注意!!

実は一回読んだだけでは難しすぎて、きちんと理解できず、、、
他の感想サイトを読みつつ、自分なりに以下のように理解しました。
ワクワク!とか書いておきながら面目ないっす。

「神=シ=惑星開発委員会」は、
この地球の存在する世界(以後「この世界」と表記)から
エネルギーを取り出していた。
エネルギーをうまく取り出すために、神の姿をとって、
この世界の文明の発展と滅亡をコントロールしていた。
阿修羅王、オリオナエ、シッダールタの3人は
シの強大な力に抗おうとしたものの
この世界の滅亡を止めることはできなかった。

 

、、、また読み直してちゃんと理解したいなあ!

 

漫画版について

実は漫画化されておりまして、こちらの方が分かりやすいとの噂。
イラスト化された阿修羅王ちゃんをみたい!
購入予定です。

おしまい。