パワーアップした成瀬の行方は?進学で離れ離れになってしまった、成瀬の親友の島崎はどうなっちゃうの?感想を書きました。
成瀬は信じた道をいく あらすじ
成瀬もとうとう大学受験。成瀬は前作での志望通り京大を受験するが、もちろんただで終わるはずもなく。。。??
小学生の成瀬ファンに、バイト先にあらわれるクレーマー。そして新たな成瀬の挑戦とは。今を生きる青春群像劇の続編、開幕!
- 著者:宮島未奈
- 発売:新潮社 2024/1/24
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):聴き放題対象
▶︎5分間の試聴はこちら 試聴で、成瀬と島崎の「ゼゼカラ」コンビの声が聴けちゃいます!(リンク先で▶プレビューの再生 を押してください)
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前作 成瀬は天下を取りにいく から読みましょう
成瀬ワールドを楽しむなら、シリーズを順番通りに読むのがおすすめ。未読の方はまず 成瀬は天下を取りにいく からどうぞ。
成瀬は信じた道をいく 感想
前作、成瀬は天下を取りにいく を読み終わったとき、「もの足りない!」「ラストはもっと盛り上がってほしかった!」という感想記事を書いたわんこたん。
今作 成瀬は信じた道をいく では、前作の期待に応えて(?)ラストにみんなが大集合。これは嬉しい!
前作で成瀬のキャラと、作品の空気感をつかめたので、成瀬は信じた道をいくでは、よりすんなりと物語に入り込むことができ、満足度高かったです。
成瀬は天下を取りにいく、もおもしろかったけど、続編はもっとワイワイしてほしい、と感じた成瀬ファンの重いに、ばっちりこたえてくれる作品になっていますよ~
成瀬 あかり、ちょっと成長した、かも?
前作の成瀬は200歳まで生きたい、けん玉を極めたい、漫才でてっぺんとりたい……などなど、とりあえずやりたいを羅列していくだけ、だったんですよね。
宣言して実行する行動力はすごいけど、周囲からはポカーン、という感じ。
今作、成瀬は信じた道をいく、では自分のやりたいを実行しつつ、そこに周りの人間が入り込める「スペース」のようなものを、成瀬が作ってくれている、ようにも感じます。すこし成瀬も成長したのかも?
前作で登場したけん玉、漫才といった要素が、今作でもきちんと活躍しているのも嬉しい。
成瀬は信じた道をいく 各話のあらすじ、登場人物と感想
登場する5つのエピソードのあらすじ、キャラクター、感想を紹介します。
ときめきっ子タイム
小学校の総合学習で、憧れの「ゼゼカラ」について取材し発表することになった、4年生の北川みらい。通学路でパトロール中の成瀬に遭遇したみらいちゃん。果たして発表はうまくいくのでしょうか?
明るいほのぼの話かと思いきや、小学生どうしの微妙な人間関係が登場して、ちょっと酸っぱい気持ちに。
小学生って、人を傷つけることに鈍感、というか、「こういうこと言わなきゃいいのに」みたいなのを言ってしまうハードルが低いというか。難しいお年頃。とにかくみらいちゃんが、成瀬に出会えてよかった。
成瀬慶彦の憂鬱
成瀬あかりの父、成瀬慶彦は、娘が大学進学を機にひとりぐらしを始めるのではないか?と心配に。
そんな中迎えた、志望校である京都大学での受験。成績優秀なあかりのことだから、受験はなんの心配もなし。と思いきや、やっぱり成瀬。受験がふつうに終わるはずもなく。。。?
でた。ついにでた成瀬の両親。前作であれだけの奇行をくりひろげた成瀬。いったい両親はどんな人たちなんだろう、と思いきや。あれ?意外と普通?それともやっぱり変わってる?いったいどんなひとたちなのか、それは読んでのお楽しみ!
やめたいクレーマー
大津市のスーパー・フレンドマートに設置された「お客様の声」のクレーマー投稿常連主婦、呉間言実(くれま ことみ すごい名前!)。
フレンドマートでアルバイトをしている成瀬は、ある日、呉間に声をかける。成瀬の驚きの目的とは!?
クレーマーって、なんとなく嫌というか、お近づきになりたくないタイプの人々だと思っていたけれど、彼ら彼女らにも、なにか事情があるのかもしれない。とふと考えたり。
現実世界ではこんな風にうまくはいかないかもしれない。でも、成瀬がいれば、こんなふうにうまくいくのかもしれない。ちょっと成瀬のいる世界を羨ましいな、と思ってしまう物語でした。
コンビーフはうまい
大津市観光大使になった、成瀬と篠原かれんの物語。
当たり前のように成瀬は大津市観光大使になっており、それを違和感なく受けて入れてしまうくらいには、管理人わんこたんも成瀬に慣れてきたぞ。
ついに成瀬もスマホデビュー。大津市の良さを広める為にインスタにチャレンジする成瀬と、教える篠原の様子がほほえましい。
かれんは、観光大使の仕事は好きで、でもその一方で家族に「観光大使であれ」と強制されることに違和感を覚えている。そんな、悩むかれんへの成瀬のアドバイスは...
自分の人生、結局、自分で決めるしかないんだなと感じる。嫌なことには嫌と言える、好きなものに好きといえる。そんな社会に生まれたことを感謝しつつ。
探さないでください
2025年の大晦日。突然姿を消した成瀬。
サプライズで成瀬に会いに、東京から大津にやってきた、成瀬の親友でありゼゼカラコンビの片割れ、島崎みゆきは、成瀬パパ慶彦や、この1年で成瀬に巻き込まれた人々と成瀬捜索を開始する。
わずかなヒントを頼りに、一行は名古屋に向かうが……
島崎と成瀬の友情、成瀬らしさ、大団円などなどてんこ盛りな、最終話にふさわしい締めくくり。これは年末に読んだらいっそう楽しめそう。
島崎みゆきの、葛藤と成長と。
よくも悪くも、幼少期から成瀬の影響を受けまくってきたであろう、島崎。
島崎は成瀬が大好きだけど(というか、もはや相思相愛だけどw)、決して成瀬に依存しているわけではない。二人それぞれ選んだ人生を歩んでいるっていう、距離感がいいですね。
がしかし、東京への進学で成瀬と離ればなれになり、寂しさを感じているのも事実。ラスト、2人がどんな年越しを迎えるのか……と、そこは読んでのお楽しみ。
成瀬は信じた道をいく の次に読みたいおすすめ作品
高校生、大学生、と環境が大きく変化する中で、葛藤する登場人物の心情を、丁寧に描写した作品を集めました。
成瀬シリーズとは一味違う、ビターな世界観をどうぞ
六番目の小夜子/恩田 陸
三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が選ばれる、高校の伝統。
そして今年、「六番目のサヨコ」が誕生する年に、美しく謎めいた転校生、津村沙世子がやってきたことで、サヨコ伝説は徐々に変調をきたしていき……
自由と束縛の中間にいる、高校生という不安定な存在。その絶妙な不穏さが楽しくも恐ろしい作品です。
紹介記事はこちら▶六番目の小夜子 原作小説の残された謎を考察 - わんこたんと栞の森
何者/朝井リョウ
就活対策をきっかけに集まった5人。拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。
お互いを励まし就活に取り組む一方で、SNSからはそれぞれの本音が漏れだして……
何者、不思議ことに、読み返すたびに発見があって、時々読み返したくなるんです。あなたはこの物語から何を感じるでしょうか?
以下の記事では、読み始めたら止まらなくなる小説を紹介中!ぜひご覧ください。
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