寒い、、、寒いです。
寒くてオフトゥンから出られません、、、
ゴロゴロしながらiPadでブログ更新です。
昨日のブログではがん遺伝子発見の経緯について書きました。
第3章はこんな書き出しで始まります
「研究者たちは「がん」遺伝子という名前をつけたことを少し反省している。最初はがんウイルスから、つづいてがん細胞から分離されたのだから、「がん」という名前がついたのは無理もなかった。しかし、正常細胞にもがん遺伝子があり、しかもそれががん遺伝子のプロトタイプであることが分かってくるに及んで、がんという言葉の重みを感じはじめた。」
変異する前のがん遺伝子「プロトがん遺伝子」が様々な動物の遺伝子に共通で含まれている、ということは、それは「がんになるための遺伝子」ではなくて、「そもそも生命維持に必要なめっちゃ大事な遺伝子」てことですからね。
がん遺伝子はそもそも正常な細胞の中では何をしているのか?
というのが第3章のテーマです。
1983年
PDGFというタンパク質を作る遺伝子とサル肉腫のがん遺伝子シスが一致している
ことが発見されます。
??いきなりPDGF??なんなん??
はい。PDGFというのは、体に傷ができた時、血小板から放出される物質です。この物質は増殖因子と呼ばれ、傷口が早く治るよう細胞の増殖を促していることが分かっています。
この発見によって、サル肉腫ウイルスに感染した細胞ではウイルスのもっているシスがん遺伝子が働き出し、本来は不要なPDGFタンパクが異常に作られ、自らの増殖を早め、やがてコントロールがきかなくなる、、、というシナリオが考えられるようになったわけですね。
このほかのがん遺伝子も調べてみると、本来は細胞の増殖に関わる大事な遺伝子だったけど、遺伝子の変異によって、無秩序に増殖するがん細胞を作り出してしまう、という事例がたくさん見つかります。
大事な遺伝子だからこそ、進化の過程でも失われずに、ずっと残ってきたのですね。