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アリアドネの声

記事内のリンクには広告を含みますが、本の感想は全て正直に楽しく書いてます。ぜひ最後までお楽しみください★

 

 衝撃の結末!として2023年に一躍話題となったミステリー アリアドネの声。管理人わんこたんも読みましたが、思いっきり泣かされました。

でも感想はちょっと辛口。泣かされたのに辛口ってどういうこと?できるだけネタバレに触れないよう解説したので、ぜひご覧ください。

 

アリアドネの声 (幻冬舎単行本)
アリアドネの声 (幻冬舎単行本)
 

 

 

アリアドネの声 あらすじ

救助災害ドローンを製作するベンチャー企業の社員 ハルオ。

巨大地震に遭遇し、地下商業施設に取り残された一人の女性を救助するミッションを課されるが、その要救助者は「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱えていた……

ドローン×救助を描いた、異色のサバイバル小説!

 

  • 著者:井上真偽 (著) → Amazonの著者作品一覧はこちら
  • 発売:幻冬舎 2023/06/21
  • Kindle Unlimited:読み放題対象!
  • Audible(聴く読書):聴き放題対象
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Audibleって正直どう?メリットデメリットはこちらの記事をどうぞ▶本好きが正直に全部書く! 聞く読書Audibleのメリットとデメリット 

 

 

アリアドネの声 著者 井上真偽さんについて

井上真紀さんは、メフィスト賞出身の推理小説家。

デビュー作の恋と禁忌の述語論理は数理論理学をテーマにした作品とのことで、俄然興味をそそられます。読みたい!

 

以下に著者の作品の一部をご紹介。※書影クリックでAmazonの作品ページにジャンプします。

ぎんなみ商店街の事件簿 ~Brother編~
ぎんなみ商店街の事件簿 ~Sister編~
探偵が早すぎる 上下合本版 (講談社タイガ)
その可能性はすでに考えた (講談社文庫)
聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた (講談社文庫)
恋と禁忌の述語論理 (講談社文庫)

 

アリアドネの声 感想

良かった部分もあるのですが、全体的にちょっと都合良すぎやしないか?というのが正直な感想でした。以下より詳しく書いていきます。

 

CAUTION!

ここから、ストーリーの内容に触れています。未読の方はご注意ください。

 

ミステリーと呼ぶにはちょっと弱い

一応伏線と、トリック的なものはありますが、ヒントがわかりやすく、多くの読者は読みながら結末の予想がついたのではないでしょうか。

どんでん返しミステリー!と帯に書かれており、ミステリー的な複雑怪奇な謎解きを期待して読むと、かなり拍子抜け。

最初から、サバイバル小説、あるいは人命救助小説として読めたら良かったのですが。どんでん返しをアピールしたい!という売り手側の思惑が強すぎて、関心の中身とキャッチコピーが合っていないのが本当にもったいない作品でした。

 

地下都市の設定のちぐはぐさ

ドローンで障害者を救助する、というドラマチックな物語を成り立たせるために、周りの設定がちぐはぐになってしまっていたのも残念。

そもそも地下都市にはドローン輸送用のチューブが張りめぐらせてあると言う設定なのですが、空間の限られた地下都市で、その輸送方法は本当に効率的なんだろうろうか。チューブがあるなら、レールと小型輸送機のセットでいいじゃんと思ってしまったり。

 

もはやゲームのステージのよう

サバイバル感と伏線を演出するために、地上まで徒歩で避難しようとすると、絶対にスパ施設を横断しないといけない、という地下都市の構造も理解不能でした。普通、通路があると思うんだけど。

同様に、通路・廊下がないので作物保管庫やフォークリフトのエリアを絶対に通らなければならず、フォークリフトエリアに至っては、一定パターンでフォークリフトが動いているから避けなきゃ!っていやいや、マリオのゲームじゃないんだから。

 

とにかく困難さを演出するために、ゲームのステージを並べたかのような変な地下空間になってしまっていたのが本当に残念。

最後の驚きを演出し、ドローンを大活躍させるするためにこそ、周りの環境はとことん、本当に現実にある都市かのように、作り込んで欲しかったです。

 

ただ他の方の感想読んでいると、ゲームのステージのようでわかりやすく読みやすかったと言う意見。ある意味では、作者の演出意図としては成功しているのかもしれませんね。なるほどなあ。

 

でも結局感動して泣いちゃったのです

ここまで文句ばっかり書いてごめんなさい。実はわたくし、アリアドネの声の200ページ目あたりから結末がわかり、まだ救助できてないのに感動でボロボロ泣いてました。泣かされて悔しくて、こんなに辛口で感想書いちゃったのかも。我ながらひどい。

 

ひとりで無理しない、足りないものは互いに補いあう。作品の内包するテーマをがつんとぶつけたようなシンプルなラスト、素晴らしかったです。

ミステリーとして読むのでなく、温かい気持ちになりたい時に、前向きになったときに読む本として、出会いたかった。その点が本当にもったいなく感じる作品でした。

 

元気が出る作品、紹介してます。

アリアドネの声のような元気が出る作品、他にも紹介中です。

▶︎読めば心が軽くなる! 元気が出る小説・作品7選、あります。 - わんこたんと栞の森

 

アリアドネの声の次に読みたい おすすめ小説

アリアドネの声では、見えない・聞こえない・しゃべれない の3重障害の女性が登場しました。そこで、視覚と聴覚をテーマにミステリー作品を1冊ずつチョイス!

 

水車館の殺人/綾辻行人

 

あの仕掛け、あなたは見破れるか!?

十角館の殺人 でおなじみ、館シリーズの続編である水車館の殺人。探偵 島田潔が過去と現在に横たわる謎をに挑みます。視覚を生かした仕掛け、あなたは見破れるでしょうか??

 

水車館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)
水車館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)
 

 

紹介記事はこちら▶水車館の殺人 感想と考察 - わんこたんと栞の森

 

きこえる/道尾秀介

 

聴いて解く!新感覚のミステリー!

ミステリー界のトリックスター、道尾秀介さんが放つ、異色すぎる短編集。小説内に登場するQRコードを読み込み、音声を聴いて謎を解く!聴覚と頭脳をフル動員して挑んでみてくださいね。

 

きこえる
きこえる
 

 

紹介記事はこちら▶︎

きこえる/道尾秀介 解説と感想 浮かび上がる真実は? - わんこたんと栞の森

※どうしても謎が解けなかった方向けのヒントも紹介しています。

 

おすすめ作品 他にもいろいろ!

 

じっくり読みたいミステリーたち!

 

 

読み始めたらとまらない作品、揃ってます

 

アリアドネの声 (幻冬舎単行本)
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