
マイボディ・オン・ザ・ムーン あらすじ
月の裏側、正体不明の建造物の中から見つかった、首なし遺体〈ルナ・ボディ〉。その取り扱いをめぐり大国の思惑渦巻くなか、中国スパイ楊張敏、タイの脳科学者ジャム、実業家コーツ、車椅子の少女ミント、それぞれの運命が邂逅する。
- 著者:矢野 アロウ → Amazonの著作一覧はこちら
- 発売:早川書房 2026/06/18
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):対象外
著者 矢野 アロウ氏について
ホライズン・ゲート 事象の狩人で第11回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、デビュー。マイボディ・オン・ザ・ムーンは、デビュー後2作目となります。
マイボディ・オン・ザ・ムーン 感想
長い!!
上下巻1000ページ超えの大長編、読みながらずっと「これちゃんと着地する?だいじょぶ?」て不安を抱えながら読んだので、さらに長く感じました。
読んでいただければわかるように、不安は杞憂、無事エンディングまで駆け抜けてくれるのでご安心を。
ただ中盤部分、「面白いけど、細部まで盛り込みすぎでは?」という箇所がありました。例えば
- コーツ夫妻の過去エピソード、そこまでいる?
- ジャムと鹿住教授とのなんだか生々しい関係性、いる?
などなど。
キャラに深みを与えてはいるけれど、エピソードとしては余分が多いような。思い切って削った上で、後から外伝として補足で良かったのでは。
と思いきや、「本編未収録の第2のプロローグ」なんてものもあるそうで、多分元は相当長かったのを、だいぶ削ってここまで落ち着いた……のかもしれない。
矢野アロウ『マイボディ・オン・ザ・ムーン』本編未収録〈第2のプロローグ〉を特別公開!|Hayakawa Books & Magazines(β)
面白いんだけど、長すぎる。そこが惜しい作品でした。
「三体」「プロジェクト・ヘイル・メアリー」並みにおもしろい!?
さて、マイボディ・オン・ザ・ムーンですが、今年の元旦にこんな感じで発表されていました。
【速報】
— 早川書房公式 (@Hayakawashobo) January 1, 2026
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『三体』に比肩する面白さの日本SFが刊行されると言ったら、信じてもらえますか?
矢野アロウ
『マイボディ・オン・ザ・ムーン(上・下)』
2026年6月刊行予定。 pic.twitter.com/xnqu6gqKL7
他の作品と比べるなんて、野暮なのはわかってる。でもこんなこと言われたら、比べるしかないじゃないですか笑
以下の記事で紹介しています
三体▶︎読む順番は?文庫化は?三体シリーズ原作を徹底解説します - わんこたんと栞の森
プロジェクトヘイルメアリー▶︎プロジェクト・ヘイル・メアリー 原作小説の魅力をイラスト付きで語る - わんこたんと栞の森
うーん、正直に書くと、やっぱり三体や プロジェクト・ヘイル・メアリー の方がエンタメとしてはよくできている。
この2作品は、「読み始めたら止まらない」タイプのSFで、ページをめくりたくなるフック(謎やピンチ)をいい具合に配置しつつ、必要な情報を中弛みせず最適な場所に配置しているんです。
※三体は冒頭の文化大革命まわりがしんどいかもですが
でも、そもそもマイボディ・オン・ザ・ムーンはハードSFではないし、宇宙ものというよりはバイオよりのジャンルで、人間ドラマとか、精神性をもぐるように深く描く作品。
だからそもそも 三体 とか プロジェクトヘイルメアリー と並べる宣伝が、そもそもいけてなかった、と読み終わった今なら言える。全然ジャンル違うじゃん!ていう。
でも、SF不人気だし、ヒット作の人気にあやからないといけない出版社の気持ちもわかる。管理人わんこたんも、「『三体』『プロジェクト・ヘイル・メアリー』に比肩するSF」っていうから買いましたもん。そうじゃなかったら多分次の早川のセールまで保留にしてただろうな。
女性キャラ、めっちゃ活躍します。
CIA職員のイザベラ、脳科学者ジャム、身体に障害を抱える女子でVTuberデビューするミント。この3人の女性がとにかく大活躍する。
特にイザベラについては「CIAだから」という理由だけでそんなに強いわけあるか!と突っ込みたくなるけれど、まあいっかw

人類は地球から飛び出していくべきなのか?
下巻のこり3分の1、ページ数でいうと最後の150ページでグオーーーと盛り上がる展開を見せてくれました。
実はいろいろ考え始めるとよくわからない部分もあるんだけど(幻肢を拡張しまくったら命中率100%だ!→どういうこと?)細かいことはいいんだよ!と言わんばかりのパワーが良かった!
最終的に物語は2つの勢力のせめぎ合いに収束していくのですが、どちらが善・悪というわけではなく、どちらにも、行動理念・理由があるんだよ、というのがよかったです。
人類がいつか地球を出ていかなきゃならないのは事実。太陽が膨張して飲み込まれる前に。
わからないところもたくさんある
最初の方でエピソード盛り込みすぎ!と書いてしまいましたが、その割に明かされない謎も結構あったような。
特に、L*細胞と人類のファーストコンタクトの経緯とか、なぜ「神秘小屋」をポイっと月に置いていったかがほとんどわからなかったので、この辺りはぜひ続編とかで明らかになってほしいなあ。
何よりも、「三体」「プロジェクト・ヘイル・メアリー」みたいな作品を期待したのに、違うじゃん。なんて思われたまんまじゃ、なんか悔しいじゃないですか(著者でもないのに、なぜか悔しがるわんこたん)。
というわけで、続編でも!新作でも!ドンとこい!と矢野アロウ先生の次回作を楽しみに待ちたいと思います。
マイボディ・オン・ザ・ムーンの次に読みたい おすすめ作品
マイボディ・オン・ザ・ムーンからの連想で2作品を紹介します。
天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ /小川 一水
マイボディ・オン・ザ・ムーンの結末を読んで真っ先に思い浮かんだのが、この作品に登場する<拡散時代(バルサム・エイジ)>という言葉。
地球から太陽系へ進出する人類。その背後に蠢くものと、人類の攻防を描いた、全17巻の、超特大スペースオペラです。
感想記事はこちら▶︎天冥の標Ⅰメニー・メニー・シープ 主要キャラと謎を考察 - わんこたんと栞の森
星を継ぐもの 巨人たちの星シリーズ /ジェイムズ・P・ホーガン
「月で見つかった謎の死体」と聞けば、まず思い浮かぶのがこちら。
月面で見つかった人類と思われる死体は、死後5万年経過していた……!?
謎から議論へ。そして新たな事実を導く流れがとにかく美しい。伝説的な傑作SFミステリーなのです。
感想記事はこちら▶︎謎の死体 チャーリーの正体は?星を継ぐもの 感想 - わんこたんと栞の森
おすすめ作品、他にもいろいろ!
当ブログでは、他にもさまざまな小説を紹介中。ぜひブクマして、気になる記事をチェックしてみてくださいね。




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