
ワシントン・ポーに冤罪逮捕疑惑が浮上。ポーのピンチを救うのはお馴染みブラッドショーと、新キャラのエキセントリック病理医!?
大人気ワシントン・ポーシリーズ2作目 ブラックサマーの殺人 前回までのストーリーのおさらいも含めた、感想を書きました。
ブラックサマーの殺人あらすじ
<前作までのあらすじ>
とある理由で謹慎中に、重大犯罪分析課としてイモレーションマン事件の捜査に臨んだ刑事 ワシントン・ポー。対人関係に難ありだが、ものすごい分析能力をもつ、ティリー・ブラッドショーとコンビを組む。元 ポーの部下で、今は上司となったフリン警部とも協力しながら、猟奇殺人犯イモレーションマンの正体を突き止めるが、その真相はショッキングなものだった。
さらに捜査の過程で、自身の出自が「母親がレイプされ生まれた子」であることを知ったポー。ワシントン、という名前はレイプされた場所を忘れないための刻印であり、そしてレイプ犯の面影が息子の顔に現れることを恐れた母親はポーの前から姿を消し、故人となっていたのだった。
<ブラックサマーの殺人のあらすじ>
ポーがかつてカンブリア署で6年前に手掛けた重大事件、エリザベスキートン殺害事件について、新たな展開が。
当時ポーの尽力で、殺人犯として収監された、エリザベスの父であり、凄腕シェフでもあったジャレド・キートン。
ところが、亡くなったと思われたエリザベスキートンが突然現れ、事件の犯人がジャレドキートンではないと証言。ポーは無実の人間を監獄行きにした疑惑で、一転、窮地に立たされる。
ポーは真相に辿り着くことができるのか?
- 著者:M W クレイヴン → Amazonの著作ページはこちら
- 発売:早川書房 2022/09/14
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):対象
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著者 M W クレイヴン氏について
陸軍に所属したのち、社会福祉学を学び保護観察官になった、という経歴を持つイギリスの推理作家。
ワシントン・ポー シリーズは2018年に刊行スタート。ポーとブラッド・ショーの異色刑事コンビが猟奇的な難事件に挑むシリーズで、ダガー賞受賞など、世界中で人気を博しています。
1作目ストーンサークルの殺人から続く、2作目ブラックサマーの殺人ですが、1作目を上回る、読み始めたら止まらない、かっぱえびせんみたいな作品!。
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ブラックサマーの殺人 感想
サイコパスなシェフとプライドの高いダメキャリア警官によって、ポーが追い詰められる展開にハラハラ。
その中でも、地道で細やかな捜査がテンポ良く繰り出されるので、どんどん読めてしまいます。取り調べのビデオの撮影手順とか、証拠保全の様子とか、地味だけど楽しく読めるのが、このシリーズのいいところ。
あと、全体的に章の区切りがかなり細かめで、章を跨ぐたびに、先が気になるような「ヒキ」を用意しているのですよね。
ちょっとマンガの「めくり」みたいで、これもまた読み始めたら止まらない!な読書体験につながっているのだと思います。
圧倒的な窮地を、わずかな手札だけでひっくり返していく。ポーと仲間の絆が見どころです。
マッドな病理医 エステル・ドイル 登場
ブラックサマーの殺人で新たな重要キャラが登場。その名もエステル・ドイル。
ワシントン・ポーとその飼い犬 エドガーの名前はもちろんエドガー・アラン・ポーから取られているのですが、こちらはどうみてもコナン・ドイルが元ネタ。重要キャラであることを窺わせます。
マッドだけど超優秀。ブラッドショーではカバーできない科学捜査周りをフォローしてくれるという位置付けのようです。
このシリーズ、捜査の描写が緻密な一方、キャラは結構尖ってるんですよね。そのいい感じのバランス作品人気につながってるんだろうな。
窮地に追い詰められたポーに僅かな逆転の手札を残してくれます。ちなみに3作目 キュレーターの殺人でもバッチリ活躍してくれますので、名前を覚えておきましょう。
搬入された遺体にマニキュアを塗るなど、一見冒涜的なように見えて、多分本人にその気はない、というかむしろ被害者のことをちゃんと気遣っている……ように見えなくもない。
ティリーが昇進している!
ポーの相方、ティリー・ブラッドショーは昇格し分析官を束ねる立場になっていました。それでしっかり事件解決に貢献しているようで、読者としてもニッコニコなのです。
人間関係形成に難ありのティリーですが、フリン警部をお手本に頑張っている様子。箸の上げ下げレベルの細かい動作まで真似されて、ちょっとめんどくさいなと思ってるフリン警部が可愛い。
刑事同士の絆もいいよね
前作 ストーンサークルの殺人でも登場したギャンブル刑事が再び。エリザベス事件の真実を知りたい、と、ポーと固い握手を交わすシーンが印象的。
新たに登場するリグ刑事は、冤罪疑惑のポーに不快感をむき出しにしてきますが、その根っこにあるのは被害者を慮る気持ちなんですよね。
リグ刑事とポーが、どのように真相に辿り着くのか?現場の刑事どうしの固い絆を、ぜひ読んでみてほしいです。
以下より、ブラックサマーの殺人の結末に触れる記載があります。未読の方はご注意ください。
サイコパスっぷりに爆笑
疑惑のサイコパスシェフ、ジャレド・キートンですが、料理の腕は間違いなし。登場する料理、けっこう美味しそうじゃん、と思ってしまったw
(ズアホホオジロの例の料理はちょっと美味しいのかよくわかないけど!)
あと、最後にわざわざポーを招待して料理を振る舞う神経もわからんw
嵐の夜にポーが来るかどうかなんてわからないのに、来ると信じて、最高級料理を用意して待っていた、てこと?w
この人一周回ってポーのこと好きすぎるでしょw
血液にまつわる謎??
今回 ブラックサマーの殺人を読んでいて、微妙にわからなかったのが以下の2点
- いくら適切な処理をしたからといって、6年前の血液を、採血したての血液と混同させられるものなの??破損した赤血球を取り除くたって、破損した血液から溶出した成分まではごまかせないと思うんですが……このあたりは有識者の意見を聞きたい笑
- 結局、ブラックサマーの成分が血液から検出されたのは、ジェイクマン医師が食べたものに由来しているのかしら?
(替え玉となったクロエ自身はキートンと面識がないといってるし、ジェイクマンが自身の赤血球を添加したことで、ブラックサマーの成分が検出されたのかな?)
さて、エリザベス・キートンの事件は解決したものの、愛すべきハードウィック・クロフトの自宅を失いそうになるポー。そこに、自分の育ての父親が急に現れ……??
3作目 キュレーターの殺人を早速読みたくなる展開、さすがです。
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