
AI裁判官が導入された近未来の日本。裁判は高速化され、訴訟件数は爆増。そんな訴訟バブル社会で、AI裁判官を騙して無双する弁護士が現れた!
正義はどこにあるのか?ノンストップ法廷ミステリー AI法廷の弁護士 感想を書きました。
AI法廷の弁護士 あらすじ
AI裁判官が導入された近未来の日本。
IT業界のカリスマ虎門金満を殺害した罪で起訴された、軒下智紀。有罪間違いなし、絶体絶命の状況を救ったのは、AIをだまして100%勝訴を手にする、ハッカー弁護士、機島雄弁だった!
不自然な一審の展開に釈然としない思いを抱きつつ、軒下は機島とともに二審の法廷にのぞむが……!?
- 著者:竹田 人造
- 発売:早川書房 2024/04/05
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):対象外
著者 竹田人造 氏について
2020年 ハヤカワSFコンテストで 人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアルで優秀賞を受賞しデビュー。AI法廷の弁護士は、受賞後の2作目となります。
データサイエンティストでもある竹田先生の作品は、AI・機械学習の技術的な部分を丁寧に描写しており、現実でもこんなことが起きるかも?というリアルさがあります。
AI法廷の弁護士 感想
前作もそうでしたが、会話のテンポ感がとにかくノリノリ、ハリウッド映画みたい。
小むずかしいAIや機械学習といった技術的なテーマを、ボケとツッコミとフィーリングで軽やかに読ませてくれます。
冒頭の魔法のような無罪判決 → 二審で提示される驚きの新証拠で大ピンチ→からのノンストップ大逆転。気がつくとグイグイ読んでしまう。
しかもAI裁判官は大量の情報を瞬時に捌けるので、公判前に証拠を事前に提出する必要もなし。裁判当日に新証拠がどんどん提示される。
AI裁判官という設定があることで、現実にはあり得ないドラマチックな裁判を、法的にも可能にしちゃってるところが、本当にうまい。
第1章 魔法使いの棲む法廷
軒下・機島コンビ爆誕。
この作者さん、人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル もそうなんですが、でこぼこバディの描写がすごくいい感じなんです。
軒下くんは、当初は機島への反発もあって、二審でやらかしをしてしまう。ちょっと危うくて、うっかりすると読者のストレスになりかねない立ち位置ですが、秘められた能力によって、機島をアシストする、というバランス感がいい。
AIを主軸にしたトリッキーな作品のようで、実は王道バディもの。ってのが、竹田人造作品の魅力なんだよなあ。
第2章 考える足の殺人
千手電子傘下、千手病院の医師であり、脳波義肢開発者であり、その義足ユーザーである大槻医師の自殺。本当に自殺なのか?はたまた装着していた義足の暴走か?
義肢の共同開発者である錦野翠の依頼を受けた機島・軒下コンビは調査に乗り出すが、そこに「10本腕」千手樟葉の魔の手が迫ります。
第1章の ”イエス 井ノ上 イノベーション” といい、第2章の ”自称ポストヒューマン” といい、有料サロン大好き田淵検事といい、この作品は敵サイドがとにかく濃いw
「おだまりなさい二本腕」なんて罵倒、初めて聞いたよw
事件と並行して、2章では少しずつ機島の過去についてのヒントが提示されていきます。
第3章 仇討ちと見えない証人、第4章 正義の作り方
機島弁護士の旧友、宮本正義検事が登場。機島、宮本、そしてAI裁判官の生みの親である錦野唱歌が登場し、物語は核心へ。
田淵検事筆頭に、ふざけたキャラと会話劇でコメディのように読ませておいて、後半から司法の限界と歪みに踏み込んでいく構成が熱い。機島は、軒下はどうなっちゃうの?と、一気読み間違いなし。
AI裁判官こそが真の正義なのか?不完全な人間の判断は司法には不要なのか?そんな、問いに、するどく切り込む結末になっています。
つい最近も、裁判官マップなんてのが話題になりましたが、裁判官も人間。どうしても判決が人によってぶれる。錦野唱歌に言わせれば
- 「ほっとくと何か学んじゃうんだよね。人間は。」
- 「不純なんだよ」
じゃあどうしたらいいのだろう?人間による裁きを諦めて、AIに任せるのが最適解なのか?その答えは、ぜひ結末を読んで確かめてほしいです。なんて爽快、お見事でした。
軽〜いノリで繰り出される大量のボケとツッコミは好みが別れそうですが、私は好きだな、この作品。著者の次回作を、楽しみに待ちたいと思います。
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月は無慈悲な夜の女王 /ロバート A ハインライン
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人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか? /山本 一成
2013年にプロ棋士に勝利した一躍名を馳せた、将棋AIポナンザ の生みの親である、山本一成氏によるAI解説本。とっても読みやすく、機械学習の基本の基本を学べます。
人間とAIが手を取り合う未来に、想いを馳せたくなる1冊。
おすすめ作品、他にもいろいろ!
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