
自らの手で本物の殺人を実行し、それをお題に推理ゲームに興じる5人組。その悪趣味で空虚な遊戯の先に、彼らはどこに行き着くのか??
密室殺人ゲーム王手飛車取り/歌野晶午 の感想を書きました。
密室殺人ゲーム王手飛車取り あらすじ
頭狂人、044APD、aXe(アクス)、ザンギャ君、伴道全教授。5人の匿名プレイヤーは、今日も今日とて、ネット上で殺人推理ゲームを出題しあう。
1人が出題、4人が解答。しかしお題は出題者によって実際に行われる、リアル殺人ゲームで……
- 著者:歌野晶午 → Amazonの著者作品一覧はこちら
- 発売:講談社 2010/01/15
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):対象外
著者 歌野晶午氏について
1988年に 長い家の殺人 でデビュー。ペンネームの「晶午」は島田荘司先生の考案なのだそうです。(島田先生、いろんな作家さんのペンネーム考案してるなあ)
特に2003年発表の 葉桜の季節に君を想うということ は、このミステリーがすごい!、本格ミステリ・ベスト10、日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞を受賞するなど、大きな話題になりました。(あれは絶対、騙される!
)
以下に著作の一部を並べました。(書影クリックでAmazonのページへ)
密室殺人ゲームシリーズ 読む順番について
上記の順番で、全3巻刊行中です。
密室殺人ゲーム王手飛車取り 感想
殺人をゲームとして楽しむメンバーたち。
初手から好感度マイナス、口の中がざらつくような不快指数100な、思い切ったキャラクター造形。ここまで振り切っていると、むしろ清々しいくらい。
彼らはゲームとして楽しんでいるのでしょうが、読者視点から見るとただただ不快感があるだけ。面白さなども微塵も感じず、どこか冷めた目線で読んでいる自分がいました。
ちなみに子どもは事件の直接の被害者にはなりませんが、事件に巻き込まれる描写はあるので、そういうのも含め、ずっと嫌悪感MAX!
作られる謎が、おもしろくない
殺人をゲームとして楽しむという倫理観欠如への不快感、が先にきてしまうせいか、出題される謎がそんなに面白くないんですよね……
- aXeのゲームはやたら長たらしいわりに、こじつけ感すごい
- 044APDのゲームは、あまりにも力技で、労力はすごいけど面白みはない
でも、伴道全教授のホーチミンと浜名湖の謎は面白かったです。教授の正体がトリックを解く重要な鍵になっている、という点で、他のメンバーと一線を画していました。
教授の正体は◯◯、と見せかけてもう一捻りあるのも良かったな。
「謎解きがおもしろくない」が反転するラスト
ゲームのノリで起こした殺人事件の謎解きなんて、おもしろくない。不快なだけ、という読者の感情。
一方で、作中のとある人物も、次第に殺人ゲームの刺激にもの足りなさを感じるようになり……
まるで読者とプレイヤーの感情が鏡合わせで向かい合っているような、そんな構図になっているんですよね。そこまで計算されていたのだとしたら、すごい。
殺人ゲームを楽しんでいたくせに、ゲームの「当事者」として引きずり出されると、動揺し、困惑するプレイヤーたちの様子はどこかおかしく滑稽でした。謎解きとか推理はあまり楽しめなかったのですが、このラストはけっこう好き。
最後に、爆弾がどうなったのか?は描かれません。
管理人わんこたんは、実は爆弾は3人のいる部屋側に仕掛けられている、というオチを予想したのですが、真相は闇の中。
でもこの作品、続編があるんですよね。しかも同じメンバーが登場。ていうことは、結局ラストで全員生存したってことなのか?
気になりすぎて、早速続編の密室殺人ゲーム2.0を買ってしまったわんこたんなのでした。
密室殺人ゲーム王手飛車取りの次に読みたい おすすめ作品
「ゲーム」がテーマのおすすめ2作品をご紹介。デスゲームもあり、青春学園ミステリーもあり!
クリムゾンの迷宮 /貴志 祐介
深紅の岩山で目覚めた主人公たち。そばのゲーム機には、「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」というメッセージ。それは、血で血を洗う凄惨なサバイバルゲームのはじまりで……
デスゲーム小説の元祖であり、傑作ホラー小説です。読み始めたらとまらない!
地雷グリコ /青崎 有吾
勝負事にやたらと強い、ちょいギャル女子高生が、風変わりなゲームで強敵たちと勝負!ゲームを攻略しつつ、見え隠れする謎に、読む手がとまらなくなる頭脳バトルミステリーです。
ゲームはシンプルなのに攻略は予想外!タイトルに「地雷」とありますが、人は死なず、楽しく読めますのでご安心を。
感想記事はこちら▶︎友情×青春×爽快頭脳バトル! 地雷グリコの感想 - わんこたんと栞の森
おすすめ作品、他にもいろいろ!
当ブログでは、他にもさまざまな小説を紹介中。ぜひブクマして、気になる記事をチェックしてみてくださいね。




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