
クリスマスの夜、斜めの館に何かが起こる……
読者の度肝を抜いた、あの占星術殺人事件。そのシリーズ2作目となる斜め屋敷の犯罪の感想を書きました。
どうみても事件の鍵を握っていそうなこの傾斜。果たして真相は……?
斜め屋敷の犯罪 あらすじ
北海道の最北端・宗谷岬にオホーツク海を見下ろして建つ「斜め屋敷」こと流氷館。
クリスマスの日、この傾斜した奇妙な館でパーティが開かれるが、翌日に招待客の死体が発見される。
密室に天狗に不気味なゴーレムまで……?謎に挑むのは、やはりあの男!
- 著者:島田荘司 → Amazonの著者作品一覧はこちら
- 発売:講談社 2016/01/15
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):対象外
著者 島田荘司氏について
云わずと知れたレジェンド作家であり、御手洗潔シリーズの生みの親である島田荘司先生。斜め屋敷の犯罪は、占星術殺人事件から続くシリーズ2作目となります。
作品数も膨大で、2026年には新刊 愛しいチグサが発売!果たして全部読み切れる日はくるのでしょうか……??
以下に、御手洗潔シリーズの3作目~7作目+愛しいチグサを並べました。
斜め屋敷の犯罪 感想
占星術殺人事件では、冒頭の手記が難読ポイントとして読者の前に立ちはだかりましたが、今作は館の構造を頭にいれるのがとにかく大変で。
見取り図はあるものの、
- 同じ階層どうしなのに行き来できない部屋がある
- 外からしか出入りできない
- 各部屋の通気口の位置まで説明される
などなど、情報量が多いのなんの。
でも、構造にさえ慣れてしまえば、後はとにかく「まじで!?」の連続。
傾いた館に、ぽんこつ警察、ゴーレムに天狗、女同士のバトルに、まさかすぎるアクロバティックトリックで、おなかいっぱい。
こういうの大好き。げらげら笑いながら楽しめるエンタメミステリーになっています。
警察!ぽんこつか!
この作品、警察が リラ荘殺人事件/鮎川哲也 並みにぽんこつです。
リラ荘はまだ1958年という時代背景がありましたが、斜め屋敷の犯罪 は1983年。さすがにこれはまずいのではw
事件の第一報を受け、斜め屋敷にかけつけたのは、以下3名の刑事
- 牛越佐武郎 部長刑事
- 大熊 刑事
- 阿南 巡査 ※後から合流
犯人を捜すために館に滞在し、お酒やおいしいものをいただき、ビリヤードまで楽しんだあげく、第2の被害者が……
「何度も言うようだが、こんな馬鹿げた事件からわしはもう降りたい。」
大熊刑事のこのセリフ。いやいや、あなたがそれをいっちゃあおしまいよw
こういう部分も含め、斜め屋敷の犯罪、けっこうギャグ多めなんですよね。まあ読者も真相がわからない以上、あんまり警察のことを笑えないんですが。
女同士のバトルも地味におもしろい
- 浜本英子:館の主人 浜本幸三郎の娘でめちゃくちゃプライド高い
- 相倉クミ:招待客 菊岡栄吉の秘書兼愛人
この2人がことあるごとにバチバチしているのも、 斜め屋敷の犯罪のおもしろポイント。御手洗と石岡が部屋にいるのに気が付かず、激しい口論を繰り広げる2人。
そのあとの御手洗の反応も本当にひどいwので、未読の方はどうぞお楽しみに!
変人占い師探偵 御手洗潔はますます加速する
物語の後半になって、ようやく探偵 御手洗潔とワトソン役 石岡和己が登場。まってました!
今回の御手洗潔は、だーいぶ悪ふざけしてます。めちゃくちゃ楽しそう。
それに振り回されるあいかわらずの石岡くんなのでした。
でも、御手洗潔がちゃんと犯人に敬意を示すところは、占星術殺人事件と同様。相変わらずの、いやむしろ前作 占星術殺人事件 以上の凸凹コンビが楽しめます。
こんなトリック、できるはずない!
今回のトリックは、実現性で言ったら、まあ、うん、無理。
- そんなすごい勢いで〇〇が〇〇したら、衝撃も音もすごそう
- 天狗のお面でアレをアレするとか、いやいやいや……
なんなら、このトリックを成立させるための館のデザインからぶっとんでる。
斜めになっている、は、ともかく(ともかく?)塔への渡り廊下をおろしたら、極寒の外気がもろに建物に吹き込んでキンキンに冷やされる設計てw
じゃあ 斜め屋敷の犯罪 がバカバカしくてつまんないかといったら全くそんなことはないんですよね。
めちゃくちゃ振り切っている。その潔さがやっぱり楽しいんです。読み終わったらブラボーするしかない。そんな勢いがあるんですよね。
占星術殺人事件もなかなか豪快なトリックでしたが、斜め屋敷はもうスーパーダイナミックワンダーランドミステリーですよ。
そうか、御手洗潔シリーズは、こういうふうに楽しめばいいのか、というベクトル示してくれたのが、2作目 斜め屋敷の犯罪の1番のポイントかも。
(といっても、3作目 御手洗潔の挨拶をまだ読んでないので、この方向性もまた変わってきたりして。いや~これは読むのが楽しみになってきちゃったな~~)
斜め屋敷の犯罪 の次に読みたい おすすめ作品
斜め屋敷の犯罪 に連なる、館ミステリーの歴史と進化を感じる2作品をご紹介!
リラ荘殺人事件 /鮎川 哲也
警察がぽんこつ、と紹介してしまいましたが、トランプを使ったトリックは本当に秀逸!日本の「館もの」の黎明期を切り開いた1冊。ぜひ読んでみてくださいね。
感想記事はこちら▶︎館ミステリーの元祖 リラ荘殺人事件を正直に評価する - わんこたんと栞の森
硝子の塔の殺人 /知念 実希人
雪山にそびえたつ美しい塔で巻き起こる惨劇。館もの、クローズドサークルもの、といった国内本格ミステリーの系譜を受け継ぎつつ、進化させた、まさに集大成のような作品!
おすすめ作品、他にもいろいろ!
当ブログでは、他にもさまざまな小説を紹介中。ぜひブクマして、気になる記事をチェックしてみてくださいね。




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