
あなたの良識、みじん切りにして、強火でじっくり炒めました。付け合わせに不快感と裏切りを添えて。
良識と「非」良識の境目がわからなくなってくる?まず良識をみじん切りにします/浅倉秋成 の感想を書きました。
まず良識をみじん切りにします あらすじ
デスゲームを作る男、人気クロワッサン店の異常な行列、結婚式の2次会で閉じこもる花嫁……
良識ってなんだっけ?となること間違いなしの、異常で不条理な短編5編。
- 著者:浅倉 秋成 → Amazonの著者作品一覧はこちら
- 発売:光文社 2024/10/23
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):対象
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先のページが見えない「聴く読書」で聴く、予想外の展開が楽しい!ただし「良識のない」人物による罵倒のオンパレードは聴いていて辛くなるので、体調のすぐれない時は控えましょう。
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聴く読書っていつ聴いたらいいの?Audibleの取り入れ方を解説しています▶聴く読書Audibleっていつ聴けばいいの?ぴったりハマる時間があるんです。
著者 浅倉 秋成 氏について
デビューは特殊能力もつ高校生が登場する青春ミステリ、ノワール・レヴナント。ミステリー中心に多数の作品を刊行しており、六人の嘘つきな大学生 や 俺ではない炎上 は、映画化も話題になりました。
就活ならではの異常な緊張感を描きつつ、鮮やかな伏線回収が楽しい1冊です。
漫才マンガ、ショーハショーテン!の原作担当でもあります。高校時代にM-1グランプリに出場したご経験があるのだそう。
▶レインボー・ジャンボ、高校時代の相方は小説家・浅倉秋成氏だった「今、小説家としてバク売れ」 | ORICON NEWS
著書を以下に並べました。※書影クリックでAmazonのページにジャンプ。
まず良識をみじん切りにします 感想
乾いた笑いを禁じ得ないブラックな結末に、もやりとする後味。タイトルどおり「良識」の欠けた物語たちに、なんともいえない感情が巻き起こります。
とにかく変な本を読んでみたい、自分の良識をみじん切りどころか、ぎっちょんぎっちょんにしたい、そんなあなたにおすすめの1冊でした。
(でも、最終話の 完全なる命名 Complete namingは、ちょっと感動しちゃった)
以下に、収録各話の感想を。
1 そうだ、デスゲームを作ろう
営業担当の社員、花籠は、取引先の担当者、佐久保から執拗なパワハラを受けていた。
耐えきれなくなった花籠は、佐久保をデスゲームで殺そうと心に決める。
デスゲームで殺す。決意してからの花籠の行動力と努力がすがすがしくて笑える。
花籠はこどもの頃から「正解を選べば後が楽になる」という思想を原動力に成長していくんだけど、それゆえに正解(らしきもの)を選んだら後戻りできなくなって、逆に追い詰められているな……と、読みながらそんなふうに感じました。
見知らぬ部屋で目覚めて、そこにドアがあったら、とりあえずドアに行くという行動を予測できなかった花籠くん、正解への道をぎちぎちに設計しすぎて、想定外の自体に対応できない感じが、彼らしいというか……
2 行列のできるクロワッサン
絵美の自宅の近所にできたクロワッサン店。特に気にも留めていなかった、その店。しかし徐々に絵美の日常はクロワッサンに侵食され始め…
話題のあの店、並ぶ?並ばない?
何にでも並ぼうとする大衆心理を皮肉っているのか,あるいは一度決めた意見に固執することを嘲笑っているのか。そんなことを考えながら読んでいたら、物語は思いもよらぬ方向へ。
ラスト数行、(Audible版ならラスト10秒)まで気が抜けない、現代のホラーの地平を切り開く怪作。
3 花嫁がもどらない
結婚式の二次会の途中で、気持ち悪さを訴え、控え室に閉じこもった花嫁。
残された人たちは、花嫁の嫌がる気持ち悪いものを見つけ出し排除するべく、議論を重ねるが…
理由をつければ何でも気持ち悪いものに仕立て上げられる。気持ち悪いの大洪水!
でも結婚式二次会のクイズ大会で、「火星で最も標高の高い山」の名前を問うのは、ちょっと気持ち悪いと思ってしまった自分がいる…
(正解はオリンポス山で標高21229m←火星の山でかいな!
結局最後まで花嫁が閉じこもった理由はわからないのでちょっと不完全燃焼。
4 ファーストが裏切った The first baseman turned traitor
鳥兜(とりかぶと)万次郎は、いまいちパっとしない成績のプロ野球選手。長い間2軍に甘んじていた鳥兜に、幸運にも1軍出場の機会が訪れるのですが、そこで彼が実行したとんでもない行為とは……?
あまりにもシュールな試合展開に思わず顔が引きつる。「選手の裏切り行為」に対し、野球のルールブックはあまりにも無力。
理性と狂気、常識と非常識、その境目は意外と身近にあって、想像以上に脆いもので、その境目を躊躇なくやぶる人間にとって、ルールや法律がどこまで太刀打ちできるのか、と考えると、思わずゾゾゾ。
第5話 完全なる命名 Complete naming
もうすぐ生まれる我が子の名づけを妻に託された清司。
しかし、妄想癖の強い清司は、命名案を考えるたびに、その名前がもたらす悲劇的な未来を想像し、「ぎやあー」と叫びます。(ここの叫びの部分をAudibleで聴くと、ちょっとかわいいw)果たして清司はふさわしい名前を思いつけるのか?
清司の身も蓋もない将来妄想にクスリ。3つ目の妄想なんて「これ法的に可能なんだ!」とむしろ感心しちゃったよ!あいだに挿入される「たわら ノーロード」や「赤いリンツ」のエピソードもいい味出してます。
でも清司パパの悩みって、名づけに直面する親が必ず直面することだし、管理人わんこたんも子供2人の名前には悩みに悩んだので、めちゃくちゃ共感しました
名づけって色々な要素があって、本当に悩ましい。
- まずは親の名前から1文字とってみる?
- 生まれ月・季節にふさわしい漢字を入れる?
- それとも、こんな人生を送ってほしい、願いをこめた漢字を入れる?
- 読みやすさ・書きやすさも大事
- 周りと被りすぎるのは避けたいよね
- とはいえ、あまりに奇抜なのも考えもの
- 海外の人にも読みやすい名前はどう?(例:エマ、ナオミ、マリア)
- 逆に和風な名前もありかも?
- 画数も考慮しとく?
- 名前にふさわしくない漢字でないか、漢和辞典で一応確認
- (2人目以降の場合)兄姉の名前との統一感もほしい
- 名前だけならいい感じなのに、名字と合わせるといまいち
- あまりにも有名人と似すぎるのも……
清司パパは結局「これだ!」という稲妻が閃くような名前には出会えなかったけど、小さな輝くアイデアに出会えたようです。
前4作が、なんともいえない不気味な結末だったので、ほっこりオチに一安心。
名づけなんて、結局は親のエゴから生まれた豆電球みたいなもの。でもその、えいや!という小さな決断もまた、ステキだと思うのです。
まず良識をみじん切りにしますの次に読みたい おすすめ作品
次に読みたいおすすめ書籍をまとめました。思わずのけぞる「変な本」大集合!
め生える /高瀬 隼子
原因不明の感染症で、中高生以下の全員がはげる平等な世界がやってきた!果たしてそれは幸せな世界なのか?
強烈な違和感とモヤモヤが、心にぐっと根をはって、抜けなくなる。そんな読書体験をあなたに。(髪は抜けるのにね!)
○○○○○○○○殺人事件 /早坂吝
漢字かな混じりで8文字、ひらがなだけなら13文字。あなたはこの本のタイトルを見破れるか??
結末に茫然!読んだら本を投げたくなる。前代未聞のトンデモミステリー、開幕!(ほんとに投げちゃだめだよ)
おすすめ作品、他にもいろいろ!
当ブログでは、他にもさまざまな小説を紹介中。ぜひブクマして、気になる記事をチェックしてみてくださいね。




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