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世界観で分類してみた おすすめディストピア小説 特集

記事内のリンクには広告を含みますが、本の感想は全て正直に楽しく書いてます。ぜひ最後までお楽しみください★

極限の世界、独裁の世界、孤独の世界、滅亡の世界……いろんな「負の世界」を描いたディストピア小説を集めてみました。

ユートピア(理想郷)の反対語としてうまれたディストピア。その世界を小説でめぐってみませんか?暗いだけじゃない、奥深いディストピアの世界へようこそ!

 

\わんこたん独断と偏見のおすすめ12作品/

ここはすべての夜明けまえ
レッドリバー・セブン:ワン・ミッション (ハヤカワ文庫SF)
新世界より 全3冊合本版 (講談社文庫)
きつねのつき (河出文庫)
タイムマシン
タイム・シップ〔新版〕 (ハヤカワ文庫SF)
天獄と地国
火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)
NSA 上 (ハヤカワ文庫SF)
折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)<
人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA)
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

ディストピアといえば① 人間と生物の「変容」

技術の進歩のためか、あるいは環境変化のためか……

ディストピア小説では、生物の姿や心が変化しているのがお約束!

そんな人間と生物の「変容」がテーマのディストピア小説をご紹介!

 

ここはすべての夜明けまえ /間宮 改衣

ここはすべての夜明けまえ
ここはすべての夜明けまえ
 

 

九州の山奥で、かぞく史を書くわたし。始まりは100年前、わたしがゆう合手術じゅつを受けた時のこと。わたしに起きたこと、わたしがしてしまったこととは……?

この作品、社会全体の行く末もディストピア的ですが、「一人の人間の、内面に生まれた、心のディストピア」小説でもあると思うのです。

読めば絶対に自分を見つめ返したくなる、あたたかく哀しい1冊、おすすめです。

 

  • 著者:間宮 改衣
  • 発売:早川書房 2024/3/6
  • Kindle Unlimited:対象外
  • Audible(Amazonの朗読サービス):聴き放題対象
    5分間の試聴はこちら(※リンク先の「▶プレビューの再生」を押下)
    聴く読書なら、旅行の移動中でも乗り物酔いせず、本の世界に浸かれます。ぜひお試しを!

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レッドリバー・セブン:ワン・ミッション /A J ライアン

 

レッドリバー・セブン:ワン・ミッション
レッドリバー・セブン:ワン・ミッション
 

 

赤い霧煙る水面に浮かぶボート。

記憶を失っていた船上の七人の男女に、何者かからミッションの指示が入る。疑心暗鬼に陥りながらも、7人は自らの肉体に刻まれたスキルをもとにミッションの遂行を目指すが……

記憶を取り戻せば、死あるのみ……!?謎が謎呼ぶ、ディストピアSFアクションです。

 

  • 著者:A・J・ライアン
  • 翻訳:古沢 嘉通
  • 発売:早川書房 2025/2/6
  • Kindle Unlimited:対象外
  • Audible(聴く読書):対象外

 

新世界より /貴志祐介

新世界より 全3冊合本版
新世界より 全3冊合本版
 

 

■■年の日本。神栖66町の集落。現代社会より、かなり質素ではあるものの、人々はごく普通の平和的な生活を送っていました。 皆、呪力を使えること、変な生き物を使役していること、そして、時々こどもが消えることを除いては。

徐々に明らかになる世界の真実に読む手がとまらない、傑作長編SFです。

 

  • 著者:貴志祐介 → Amazonの著者作品一覧はこちら
  • 発売:講談社 2008/1/24
  • Kindle Unlimited:対象外
  • Audible(Amazonの朗読サービス):聴き放題対象
    5分間の試聴はこちら(※リンク先の「▶プレビューの再生」を押下)
    上中下巻で30時間超の大ボリュームです。じっくり聴きましょう。

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きつねのつき /北野勇作

きつねのつき
きつねのつき
 

 

外から見たら奇妙で恐ろしい世界も、その中ではごく普通の生活が営まれているのかも?

とある大災害の影響で、姿をかえたその町。ちょっとおかしなところはあるけれど、娘の春子と、「天井」の妻と、三人で暮らすわたし。

育児も保活は大変だけれど、春子ちゃんはどこまでもかわいくて愛おしい。ディストピア小説、と見せかけたほのぼの家族小説。どうかこの世界が、いつまでも続きますように……

 

 

ディストピアといえば② 超兵器に最終戦争!

愚かな人類によって、世界がすっかり荒廃しているのもディストピア小説のお約束。

ありえない世界、とも言い切れないのが恐ろしい、「人類滅びかけ」なディストピア小説をご紹介。

 

タイム・マシン/ウェルズとタイム・シップ /スティーヴン バクスター

 

タイムマシン
タイムマシン
 

 

タイム・シップ〔新版〕
タイム・シップ〔新版〕
 

 

H・G・ウェルズの名作古典SF、タイム・マシンは、未来世界に飛んだ男の冒険物語。美しい未来社会を期待する彼を待ち受ける、恐ろしい世界の姿を描いています。

その公式続編、タイム・シップは、彼の2度目の時間旅行を描いた物語。またもや人類の愚かな戦いに巻き込まれる、彼の運命はいかに??

まさかの展開と結末に驚きがとまらない、時間旅行SFの金字塔です。(ディストピア小説として紹介してるけど)

 

<タイム・マシン>

 

<タイム・シップ>

  • 著者:スティーブン・バクスター
  • 翻訳:中原尚哉
  • 発売:2015/5/22 早川書房
  • Kindle Unlimited:対象外
  • Audible:対象外

 

 

天獄と地国 /小林泰三

天獄と地国
天獄と地国
 

 

頭上に地面、足下に星空が広がる世界。人々は僅かな資源を求め地面にへばりつき生き延びていた。

世界の果てにもっと暮らしやすい別天地があると確信したカムロギは、生き残りを賭けた楽園をめざす旅を続けるが――。超スケールの兵器の数々に、終盤明らかになる、驚きの「世界の姿」は必見!文字通り血沸き肉躍る、SF冒険小説です。

 

 

 

火星年代記 /レイ・ブラッドベリ

火星年代記
火星年代記
 

 

火星に入植し、繁栄し、やがて火星から去っていく人類の栄枯盛衰を描いた年代記。執筆された1940年代の火星イメージはどことなく幻想的。火星人もちゃんと登場します。

この作品をディストピア小説として紹介したのは、終盤で登場する地球戦争後の世界の姿を描いた章「 二〇五七年八月 優しく雨ぞ降りしきる 」が非常に印象的だったため。どこか美しく、でも恐ろしい、滅びの描写は必見。

 

  • 著者:レイ・ブラッドベリ → Amazonの著者作品一覧はこちら
  • 翻訳:小笠原 豊樹
  • 発売:早川書房 2010/07/10
  • Kindle Unlimited:対象外
  • Audible(聴く読書):対象
    ▶︎5分間の試聴はこちら(リンク先で「▶プレビューの再生」を押下
    耳で読書できるAudible。文体が古くて読みづらい作品も、朗読だとすらすら聴けるの、不思議。

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ディストピアといえば③ 全体主義の物語

ディストピア小説に「全体主義」のイメージが強いのは、やはりオーウェルの名作 一九八四年 の印象のためでしょうか。

 

全体主義とは

個人の自由や社会集団の自律性を認めず、個人の権利や利益を国家全体の利害と一致するように統制を行う思想または政治体制。

参考▶全体主義 - Wikipedia

ディストピア小説では、個人の行動を極端に制限したり、監視したりするシステムとセットで書かれます。

 

全体主義の世界をリアルに、あるいはユーモラスに描いたディストピア小説をご紹介します。

 

NSA /アンドレアス エシュバッハ

 

NSA 上
NSA 上
 

 

NSA 下
NSA 下
 

 

もし、第二次大戦中のドイツで、携帯電話とインターネットが発展していたら? すべてのデータを監視し、保存するドイツ国家保安局 NSA。

NSAアナリストのレトケとプログラム作成係のヘレーネが作成したプログラムが紡ぎ出す「歴史」とは……

クルト・ラスヴィッツ賞を受賞した、ドイツ発の長編SF。プログラムが支配する国家「コードで書かれた全体主義」の恐怖を描き出します。

 

  • 著者:アンドレアス エシュバッハ →Amazonの著者作品一覧はこちら
  • 翻訳:赤坂 桃子
  • 発売:早川書房 2022/01/06
  • Kindle Unlimited:対象外
  • Audible(聴く読書):対象外

 

 

折りたたみ北京 より 沈黙都市

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー
折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
 

 

中国作家によるSFアンソロジー 折りたたみ北京。

その収録作 沈黙都市/馬伯庸(マー・ボーヨン)は、極度の検閲がしかれた未来都市を描いたディストピア小説であり、あの一九八四年/ジョージ・オーウェルのオマージュでもあります。

Webシステムを物語に加え、より現代風にアレンジ。主人公は息詰まる超検閲社会の隙間を縫って自由に会話できるクラブに行きつくのですが… 

 

  • 編:ケン・リュウ → Amazonの作品一覧ページはこちら
  • 翻訳:中原 尚哉、大谷 真弓、鳴庭 真人、古沢 嘉通 
  • 発売:2018/2/25
  • Kindle Unlimited:対象外
  • Audible(聴く読書):対象外

 

 

人間たちの話 /柞刈 湯葉 より たのしい超監視社会

人間たちの話
人間たちの話
 

 

柞刈 湯葉氏によるSF短編集。 収録作品 たのしい超監視社会 は、これまた一九八四年/ジョージ・オーウェルが元ネタ。こちらは一九八四年の「その後」を描いたユーモラスな作品です。

オセアニア・ユーラシア・イースタシアの3つに分かれた世界、という設定はそのままですが、監視社会は内部崩壊しグダグダに。しかしこのグダグダの中でも、意外と社会はきっちり機能していて……!?

監視社会と、今の私たちの社会の違いって、なんだ?と考えたくなる傑作です。

 

 

紹介記事はこちら

感想記事はこちら▶︎読書感想 人間たちの話 柞刈 湯葉 - わんこたんと栞の森

 

なめらかな世界と、その敵 /伴名 練 より シンギュラリティ・ソヴィエト

なめらかな世界と、その敵
なめらかな世界と、その敵
 

 

伴名練氏によるSF短編集。収録作 シンギュラリティ・ソヴィエトはAIに支配されたソヴィエトとアメリカの対立を描いた、歴史改変ディストピアSFです。

最終的にあの国が勝つ、と見せかけて……!?驚愕の結末をお見逃しなく。

国民は脳の一部をAIの演算領域として供している、とか、そういうマトリックスとかサイコパスに通じるような設定も最高。

奇しくも2025年現在はウクライナに対するロシアの侵略戦争まっただ中。ただの空想で終わらない世界観が恐ろしい。

 

  • 著者:伴名 練  → Amazonの著者作品一覧はこちら
  • 発売:早川書房 2019/8/20
  • Kindle Unlimited:対象外
  • Audible(Amazonの朗読サービス):聴き放題対象
    5分間の試聴はこちら(※リンク先の「▶プレビューの再生」を押下)
    聴く読書なら、手がふさがっていても読書可能。管理人わんこたんは洗濯物干しながらの読書に愛用中です。

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まとめ ディストピア小説は、ゾワゾワ楽しい

実際にディストピアな世界がやってくるのは勘弁ですが、ディストピア小説は、「こんな世界でどうやって人々は暮らしていくのか?」という仄暗い魅力にあふれています。

当記事で紹介している以外にもおすすめのディストピア小説があれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね。

 

ここはすべての夜明けまえ
レッドリバー・セブン:ワン・ミッション (ハヤカワ文庫SF)
新世界より 全3冊合本版 (講談社文庫)
きつねのつき (河出文庫)
タイムマシン
タイム・シップ〔新版〕 (ハヤカワ文庫SF)
天獄と地国
火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)
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人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA)
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA)

 

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