
グリコ、坊主めくり、だるまさんがころんだ、などなど、おなじみの遊びが、緊張感あふれる、頭脳バトルに!?
勝負ごとなら敵なしのつよつよ女子高生、射守矢真兎(いもりや まと)が、並み居る強敵をなぎ倒す、爽快×謎解きな青春ミステリー、地雷グリコの感想を書きました。
各ゲームの感想戦を見るような感覚で、お楽しみください。
地雷グリコ あらすじ
射守矢真兎(いもりや まと)は勝負事にやたらと強い、ギャル系女子高生。
平穏を望む彼女の意図に反し、友人の鉱田ちゃんとともに、「地雷グリコ」や「坊主衰弱」などの、ちょっと変わったゲームに巻き込まれていく真兎。
次々と強者を打ち破る真兎が、勝負の先で出会うものとは――頭脳バトル5篇を収録した、人の死なない青春ミステリー!
- 著者:青崎 有吾 → Amazonの著者作品一覧はこちら
- 発売:KADOKAWA 2023/11/27
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):対象
▶︎5分間の試聴はこちら(リンク先で「▶プレビューの再生」を押下
真兎ちゃんの声がとにかくかわいい!
ゲームのクライマックスでは、かわいくて、けだるげで、でもどこか得意げな、真兎ちゃんの声に、敗北させられちゃいます。書籍収録の図解も、ちゃんと収録されていますよ。
合わなければ体験中の解約OKで安心
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著者 青崎 有吾さんの情報
2012年、体育館の殺人で第22回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同賞史上初の平成生まれの受賞者に。
この地雷グリコでは第24回本格ミステリ大賞、第77回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、第37回山本周五郎賞受賞、など、数々の賞を受賞。
ミステリーはもちろん、アンデッドガール・マーダーファルスのような、異能バトル作品も!多彩な世界観の作風で、読者を楽しませてくれる作家さんです。
以下に著者の作品の一部を紹介します。(※書影クリックでAmazonの作品ページにジャンプ)
地雷グリコはコミカライズ版も刊行中。
頭脳系能力バトルマンガ、めだかボックスの作画でおなじみ、暁月あきら先生の描くキャラクターは、地雷グリコの世界観にぴったりです!
地雷グリコ 感想
地雷グリコ
じゃんけんに勝つと、グリコ/チョコレイト/パイナツプル の文字数だけ進めるお馴染みのグリコに、お互いに3個ずつ地雷を仕掛けることができる、という独自ルールを追加。
最初のゲームにふさわしく、単純明快、練習問題的にさくっと楽しめます。(その練習問題で負かされてしまう、椚先輩はちょっとかわいそうだけど。)
- 地雷1発で10歩後退×3発分=30歩のペナルティを最大に生かし
- 椚先輩に45段目ではなく「42段目」を踏ませる
この2つが真兎の勝利につながりました。
学園祭の模擬店の屋上出店をかけた愚煙試合に全校生徒が盛り上がる、という現実ではありえないような設定ですが、「この物語はこういうノリの世界観ね」、というのを読者に提示してくれるおかげで、世界観に入り込みやすくなっています。
審判役の塗辺くんもいい味出してる。
(ちなみに、管理人わんこたんは、何を勘違いしたか、グリコはゴールぴったりを踏まなければならない、と思い込んでいたので、全46段の階段でグリコをしたら、ぴったりゴール不可能では?という謎の心配をしてしまいました)
坊主衰弱
坊主めくりに神経衰弱の要素を加えたゲーム。
裏返しにした百人一首の札を互いにめくり合い、男同士のペア、女同士のペア、坊主同士のペアを作っていくが、作られたペアによって、特殊な効果が発動し……というルール。
坊主のペアだと、自分がこれまで取った手札を全て捨てなければならず、逆に姫同士のペアを作れば、捨て場の札を総取り。
なので、試合が途中でどう動こうが、最後の最後で相手が坊主ペア、その後自分が姫ペアを作りさえすれば、札を総どりしてクイズ番組みたいな一発逆転を狙えます。
当然、その展開にもちこむためには「イカサマ」が必須。
ルールを聞いた時点で、真兎は「こいつイカサマやるな」と気づいていたに違いない。
自由律ジャンケン
クセの強すぎる生徒会長、佐分利錵子(さぶり にえこ)登場。
射守矢真兎の過去に影をおとす、中学時代の同級生 雨季田絵空(うきた えそら)の存在も明らかになり、物語が核心に近づいていきます。
ゲーム「自由律ジャンケン」は、ふつうのジャンケンに、お互いに効果を秘めたオリジナルのじゃんけんの手を、1つずつ加えられるというもの。
あまりに強すぎる手や、複雑すぎる効果の手は禁止。その裁量と判定は審判にゆだねられる、という。これを生徒会で戯れにさせられる椚先輩の苦労がしのばれます。
じゃんけんの掛け声、<空手>の扱い、動体視力、自販機のココアなど様々な要素と伏線を絡め、ゲーム的には少し複雑になりつつ、かなり面白かったです。最初に出てきた<手>のイラストが大ヒントだったのに、見抜けなかったなあ。
そして、埼玉県入間市の星越高校や、長野の夕霧女学院、鹿児島の黒鯨塾という日本三大不可侵校の存在も明らかに。
(夕霧と黒鯨は本作 地雷グリコには登場しませんが、もしかして続編への布石だったりしませんか??期待していいですか??)
しかし、頬白の愚煙試合もすごいが、星越の無法っぷりもすごい。教師陣何やってるんだって突っ込みたくなる清々しさです。
だるまさんがかぞえた
お馴染み、だるまさんが転んだ。の変形バージョン。
相手方の星越高校、生徒会部は、その卓越した頭脳で真兎に挑みかかりますが……
星越高校メンバーの新妻、巣藤、桶川はみんなクセ者で、クセ者らしく(?)服装もキャラもばっちり。
コテコテの関西弁の新妻、だるそうにスマホゲームやってる巣藤、人間離れした聴覚の桶川 など、いかにもマンガやアニメにいそうな敵キャラで、ニヤニヤしてしまいました。
そんな彼らを、(読者の想像通りの展開で&想像を超えた作戦で)ルールにのっとって正面から(いや、実際には背後から?)バッサリ返り討ちにする真兎ちゃんが、めちゃくちゃ怖くてかっこいい。
巣藤のスマホゲームも、能力バトルにでてきそうな桶川の聴力すらも、すべては真兎の手のひらの上。痛快でした。
「雨季田絵空を連れてこい」
このセリフ、Audible版(朗読版)で聴くと、めちゃくちゃゾクゾクします!
フォールーム・ポーカー
頬白高校 真兎 VS 星越高校 絵空
1枚10万のSチップと、2人だけが知る因縁をめぐり、物語は最終戦へ。
第1章で登場したゲームメーカー塗辺くんが再登場。事前に考案してあったとはいえ、たった20分でゲームのセッティングをする彼、やはり只者ではない。
「フォールーム・ポーカー」は通常のポーカーと同じく手札で役を作るゲームですが、役を作るための山札がその場になく、4つのスート(マーク)ごとに4つの部屋にわかれて置いてある、というのが特徴。
各部屋の見取り図や小道具、BET額の制限などもあり、これまでの4ゲームよりも、かなり複雑なルールになっています。
もはや戦いは異次元の攻防へ。内容は読んでのお楽しみですが、きっちり「青春」「友情」の結末にたどり着いたのにはびっくり。
真兎、鉱田、絵空。3人の活躍、またどこかで観られたらいいなあ。続編読みたいなあ。もし続編が出るならば、ぜひ鉱田ちゃんの下の名前を明かしてほしいなあと思います。続編では、構想でボツにしたという、「大富豪ゲーム」も採用されないかしら。
(参考)
▶『地雷グリコ』(青崎有吾)・二〇二三年のミステリー界を席巻した最強ギャンブル小説【著者×担当編集者】アフタートーク 第15回|光文社 文芸/文庫編集部|kobunsha
地雷グリコ の次に読みたい おすすめ作品
次に読みたいおすすめ書籍をまとめました。ゲーム?知的遊戯?ミステリー?な、脳を刺激する作品たち!
クリムゾンの迷宮 /貴志 祐介
「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」
突如、謎の赤い大地に放り込まれた主人公たち。アイテムを手に入れ食料を調達しようとするが、それは、血で血を洗う凄惨なサバイバルゲームのはじまりだった。
デスゲーム小説の元祖であり、傑作。日本を代表する、ゲーム系ホラー小説です。
文学少女対数学少女 /陸 秋槎
自作の推理小説について相談するため、「文学少女」は同じ高校の「数学少女」の元を訪れる。数学少女は数論をもとに、小説の新たな真相を導き始め……!?
数学×ミステリー×青春(×ちょい百合)な、全4篇を収録。脳みそを刺激する、ゲームのような知的遊戯に、少女たちの友情とほのかな愛情がベストマッチ!
おすすめ作品、他にもいろいろ!
当ブログでは、他にもさまざまな小説を紹介中。ぜひブクマして、気になる記事をチェックしてみてくださいね。




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