
絶大なる魔力を持った無敵の竜たち。
その一頭が、完全な閉鎖状況で刺殺された!……誰が、どうやって?
ファンタジーな世界観にミステリーのスパイスが楽しい、戦地調停士シリーズ1作目 殺竜事件の感想を書きました。
殺竜事件あらすじ
戦争終結の講和条約調印のため「竜がいる都市」ロミアザルスを訪れた、レーゼ・リスカッセ大尉、ヒースロゥ・クリストフ少佐、戦地調停士のED(エド)
だが3人が見たのは、完全な「密室」で刺殺された竜の姿だった。
戦争の講和には強大な竜の力が不可欠。誰が、どうやって竜を殺したのか?事態を打開するべく、3人の推理と冒険の旅が始まる!
- 著者:上遠野浩平 → Amazonの著者作品一覧はこちら
- 発売:講談社 2018/04/20
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):対象外
著者 上遠野浩平氏と戦地調停士シリーズについて
1998年にブギーポップは笑わないで、デビュー。
このブギーポップシリーズが大ヒットし、今に続くライトノベルブームのさきがけになりました。後年の多くのクリエイターに影響を与えた方なのだそうです。
管理人わんこたんも学生時代に同級生がブギーポップは笑わないを読んでいたのをよく覚えています。(キノの旅とか、その子に借りて読んだ。懐かしいなあ。)
Xの読書仲間のしもすけさんに、ブギーポップが人気すぎて、コチラがあまり知られてないのがもったいないくらい!と推薦いただいたのが、この戦地調停士シリーズ1作目の殺竜事件。
管理人わんこたんはブギーポップシリーズ未読ですが、ブギーポップと一部世界観を共有しているらしく、今後いろんな上遠野作品を読んでみたいなあと思っております。
以下にシリーズを並べました。(※書影クリックでAmazonのページにジャンプ)
殺竜事件感想
シリーズの1作目ということで、事件の推理パートよりも、世界観とキャラクターのお披露目がメイン。
アジアンな雰囲気におてんばお姫様の国や、なにやら危険そうな洋上海賊賭博都市など、ゲームっぽくてなかなか楽しい。
いろいろな国で、主人公パーティそれぞれのメンバーが活躍するパートも見逃せません。(風の騎士 ヒースロゥ・クリストフ大佐、めっちゃ強い!)
魔法・呪いが当たり前に使われており、簡単に人を殺めたり、大軍を丸焼きにできる強力なものも。(怖い!)
一方で機械・科学分野は発達が遅れている(魔法があるので必要がない)という世界観もおもしろかったです。
最後に登場する世界地図。隕石でも落ちたかのような、ぼこぼこの地形に空想がふくらむなあ。なにがあったんだろうか。
界面干渉学が気になる
純粋なファンタジー世界かと思いきや、「界面干渉学」という不思議な学問が登場。
もしかすると、EDたちが活躍する世界と、われわれの現実世界はどこかでリンクしているのかも?……なんて、おもしろいじゃないですか。
今後のシリーズで、そのあたりの謎も深掘りされていくのかな?
証拠隠滅できた、はずなのに?
よくよく考えたら、竜を殺した後、その「凶器」をさっさと処分すれば証拠隠滅になったと思うのですよね。
凶器を処分しなかったことで、医者の不用意なひとことがうまれ、EDはそこから事件の真実を見抜いたのですから、詰めが甘い。
せっかくなので凶器を処分しなかった理由を妄想してみました。
- 村人の多くは竜を殺したことを後悔しており、ましてや「凶器を処分」などという非人道的な行為を行うことにためらいがあった。
- 殺される直前に竜が呪いをかけた
(例:凶器を処分したら村人全員が死ぬ、みたいな呪い)
個人的には「2」を推してます。強大な力を持つ竜なら、どんな強大な呪いも一瞬で施せそう。というロマン。
若干の読みづらさを感じる場面も
物語自体はシンプルでわかりやすいし、キャラクターも魅力的。
ただ、著者の表現のこだわりなのか、それとも編集サイドの校正漏れなのか、文章に違和感を感じる箇所がありました。
人によっては、クシが髪にひっかるような、読みづらさを感じるかも。わんこたんが違和感を感じた部分を以下に記載します。
- 「この”ED”とかいう人はいきなり高度の外交的駆け引きが必要なはずのことを突然に訊いてきた。」
→「いきなり」と「突然に」が重複。強調表現の一種なのかも?でもそのわりに、2つの単語が離れすぎている気がするんだよなあ。- 「だがこのとき、すでに事件はとっくの昔に始まっていて」
→ここも「すでに」と「とっくの昔に」が重複。- 「城の庭園を、王家の親衛隊が何やら殺気立った様子で出動しようとしていた。
→違和感を感じるのにうまく言語化できず、もやもやして読むのがとまってしまった個所(そんなことでとまるな)
語順の問題なのかなあ。一般的に日本語の形容詞は、「主観的表現」を先に記載したほうが、自然に感じるようです。(この場合は形容詞ではないけれど)
「城の庭園を(目的語)」と「出動する(動詞)」が離れすぎていることも、違和感の一因かな?
「王家の親衛隊が、殺気立った様子で城の庭園を出動しようとしていた。」
参考▶日英語の形容詞の語順の比較
上記はいずれも、読み進めるうちに、気にならなくなりましたので、慣れてしまえば大丈夫!
というわけで、剣と魔法とミステリーと戦地調停士の世界、続編の紫骸城事件も楽しみに読みたいと思います!
殺竜事件の次に読みたい おすすめ作品
次に読みたいおすすめ書籍をまとめました。竜!怪獣!ギャオオオオオ!
最後の竜殺し /ジャスパー・フォード
魔法の力が衰えつつある世界で、「最後の一匹の竜を殺す大役」ドラゴンスレイヤーに選ばれた15歳のジェニファー。
殺到するCM出演依頼、竜の土地を狙って暗躍する不動産会社、さらには他国への侵略を目論む独裁的な王様……いったい竜は、魔法は、ジェニファーはどうなってしまうのか?
現代的な社会とファンタジーのベストミックスな1冊です。
怪獣保護協会 /ジョン スコルジー
コロナ禍で失職した主人公の新たな職場は、怪獣が闊歩する並行世界の地球だった!?スカッと楽しめてめちゃくちゃ笑えてちょっぴりホロリ、お仕事×怪獣保護なエンターテイメント小説です。
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当ブログでは、他にもさまざまな小説を紹介中。ぜひブクマして、気になる記事をチェックしてみてくださいね。




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