
黒猫館の殺人 あらすじ
記憶を失った老人・鮎田冬馬(あゆたとうま)の手記には、謎めいた事件が記録されていた。
これは事実か?創作か?鮎田の依頼を受け、推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)と江南孝明(かわみなみたかあき)のおなじみコンビは、東京から札幌、そして阿寒へと、館の捜索に向かう……
- 著者:綾辻行人 → Amazonの著者作品一覧はこちら
- 発売:講談社 2014/01/15
- Kindle Unlimited:対象外
- Audible(聴く読書):対象外
黒猫館の殺人<新装改訂版> 文庫版巻末解説について
以下が収録されています
- 綾辻先生 ご本人による後書き
- 法月綸太郎氏による「旧版解説」(再録)
- 千街晶之氏による「新たな解説」
なお、Kindle版には「1」しか収録されていません。ご注意を。
著者 綾辻行人さんの情報
十角館の殺人でデビューした綾辻行人氏。十角館の殺人から始まる「館シリーズ」の6作目が、この黒猫館の殺人。
黒猫館の殺人からいきなり読んでも、楽しめなくはないですが、基本的にはシリーズ1作目から順番に読むのがおすすめ。
シリーズの他作品については、以下の紹介記事をご覧ください。
| 1作目 十角館 | 2作目 水車館 | 3作目 迷路館 |
| 4作目 人形館 | 5作目 時計館 | 6作目 黒猫館(当記事) |
| 7作目 暗黒館 | 8作目(記事作成中) | 9作目(記事作成中) |
現在最後の10作目となる、双子館の殺人を執筆中とのこと。楽しみ!
発売中のシリーズ一覧をまとめました。(書影クリックでAmazonのページへ)
黒猫館の殺人 感想
館の真相は……まさかの……!
さすが綾辻行人 館シリーズ。今作も最後に大仕掛けを持ってきていました。
鮎田老人の手記に、どことなく違和感を感じつつも、全然見抜けなかったなあ。
一方で、館を訪れた麻生謙二郎の死については、「よくある」タイプのトリックで、驚きは控えめ。
前作、時計館の殺人があまりに派手なクライマックスだったので、どうしても物足りなさを感じてしまう黒猫館ですが、江南くんが事件に巻き込まれず、鹿谷と仲良く?釧路旅行を楽しめた、という点では、ほっとしました(保護者目線)
次に登場する暗黒館の殺人が大ボリュームなので、箸休め的に楽しめる、という点では、これくらいでちょうどよいのかも。
ここから先は、黒猫館の殺人の結末の大ネタにふれる内容になっています。未読の方はご注意ください!
違和感、伏線、その他もろもろ解説します
鮎田老人の手記には、手掛かりとなる違和感が大量にしこまれていました。
がしかし、個々の違和感には気づけても、真相までたどりつけた読者がどれだけいたのだろうか。もちろんわんこたんは、最後まで全然わかりませんでした笑
以下、いくつかのヒントについておまけ的な解説を。
全寮制の女子高校を舞台にした連続殺人の物語
鹿谷が締め切りに追われていた原稿の中身。おそらく綾辻先生の緋色の囁き(1988年刊行)のことを指しているのかな?
管理人わんこたんは未読ですが、読んでみたい~!
LSDと大麻
黒猫館に若者集団がもちこんだ薬物。日本から持ち込んだとするなら、空港で見つかっていたら大変なことになっていたに違いない。
(ただしタスマニア州は繁華街で違法薬物が蔓延しているという話もあり、そちらから持ち込んだ可能性もあり?)
参考▶外務省海外安全情報|オーストラリア|安全対策基礎データ|滞在時の留意事項
中村紅次郎さん、名前だけ再登場
十角館の殺人のきっかけ、のきっかけ、になったといえるのが、中村紅次郎と建築家中村青司の関係性。
おそらくひどく傷心していたものを思われますが、かなり元気を取り戻していたようで、読者的にも一安心。
神代教授
中村青司のT**大学建築学科時代の恩師であり、黒猫館を建てた天羽博士の大学時代の友人でもある人物。
青司の館について、鹿谷達に情報を提供してくれました。今後のシリーズにも登場するかな?
氷川の部屋の P.D.JAMESの原書
置かれていたのは「皮膚の下の頭蓋骨」(1982年刊行)。女探偵 コーデリア・グレイ シリーズの2冊目でした。(これも読んでみたいなあ)
クリープショー
ゴキブリが大の苦手だという鹿谷。鹿谷の意外な弱点を知り、今度クリープショーでも見せてやろうかと、ほくそ笑む江南くん。
クリープショーは、あのスティーヴン・キング脚本でこどもの悪ノリ妄想を映像化したオムニバスホラーといった感じの作品。撮影には3万匹の本物のGを使ったそうです。ヒエエ。
絶対に観たくないけど、怖がる鹿谷と、それを見てゲラゲラ笑う江南くんは観てみたい笑
椿本レナの身長が記載されていたもの
そうか!パスポートを所持していたから、椿本レナの身長が分かったのかあ……て、パスポート?
どうやら日本でもパスポートに身長を記載していた時期があったようですが、現在ではICチップに生体情報が掲載されるようになったこともあり、廃止されています。(1993年頃のことらしい)
黒猫館の殺人は1992年の刊行。まさかこのすぐ後に身長記載が廃されてしまうなんて、綾辻先生も思わんて。
オーストラリアの110番
作中にも記載されている通り、000番。これはオーストラリア全土共通で、警察、消防、救急を兼ねています。
オーストラリアといえば、UFO!?
オーストラリアって、UFOで有名なの?
どうやらウィクリフ・ウェルという町は世界第5位のUFO目撃多発地帯、らしい。世界中からUFO愛好家がおとずれるんだとか。
ちょっとした観光スポットでもあるようです。楽しそう笑
参考▶
未知との遭遇!?面白すぎるUFO出現スポット【知ればオーストラリア雑学王10】 | TABIZINE~人生に旅心を~
釧路と言えば、霧
釧路といえば霧の町、のイメージがありますよね。
管理人わんこたん、仕事で釧路に出張していた時期がありますが、霧で飛行機が欠航しないか、いつもひやひやしていました。
ちなみに釧路空港、現在は霧でも離着陸できる設備を整えているそうで、霧による航空への影響はそこまで大きくないんだそうです。
参考▶https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/kouhou/ud49g7000000iqbu.html
猫のカーロ、どこいっちゃったの?
黒猫館に住み着いていた雄猫カーロ。一連の事件のあとはまったく登場しません。
ストーリーにはほぼ関わってこないカーロ君ですが、その後の行方がわからないというのは気になります。
というか、カーロ君、あまりにも実在感がなさすぎる。
カーロは、もしかして、鮎田老人の妄想の産物なのではないか?理沙子の死を精神的に受け入れられない代償に、妄想の産物としてカーロ君を生み出した可能性もある?
と、個人的には疑っています。
(といっても、麻生がカーロの鳴き声を聴いて、驚いている描写があるので、多分カーロ君は実在していたはず。どこにいっちゃったんだろうね、カーロ君)
閉ざされた館の少女 というモチーフ
館には美しい少女が暮らし、学校はおろかほとんど外にも出ず、館の主に愛でられ静かに暮らしている。
このモチーフ、館シリーズによく登場しますよね。
水車館、時計館に続き、黒猫館で3回目。しかも今回はがっつり、少女への性的嗜好が登場するので、ちょっとげんなり。
管理人わんこたんはこの設定が苦手でして……成人前の未成熟の少女を愛でたり、私物化したり、気持ち悪くて生理的に、ムリ。
次回作、暗黒館までの12年の断絶
6作目 黒猫館の殺人から7作目 暗黒館の殺人まで、12年の期間が空いていますが、綾辻先生の後書きによれば、さまざまな事情で執筆が滞ってしまったそう。
したがって、黒猫館以前の館シリーズと暗黒館には「落差」があり、読者のみなさまには覚悟を決めていただきたいとのこと。ごくり。
暗黒館は文庫版で全4巻の超大作!実は、「黒猫館」に連なる、とあるモチーフが登場するんです。黒猫館までの館シリーズを読んできたあなたにとって、暗黒館の殺人は、まさに必読の書。
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
黒猫館の殺人の次に読みたい おすすめ作品
黒猫館の殺人、タイトルの「猫」のわりに、モフモフ成分が足りなくてがっかり……というそこのみなさん!
ワンニャン大活躍の作品はいかがでしょう?
夏への扉 /ロバート A ハインライン
タイムトラベルの傑作にして、希代の猫小説として名高いSF小説。賢くかわいい、主人公の相棒猫、ピートの活躍は、猫好きさんにはたまらない!?
この爽やかなタイトルとは裏腹に、会社の乗っ取りとか、保険会社の巧みな戦術とか、妙に生々しく、大人向けだったり。
パーフェクト・ブルー /宮部 みゆき
高校野球界のスーパースターが殺害され、ガソリンをかけて焼かれるというショッキングな事件が発生。 蓮見探偵事務所のメンバーと、俺――探偵事務所の用心棒・元警察犬のマサは、事件を調査を開始する。
探偵事務所のメンバーの暖かさと、かっこよくて愛らしい、マサの活躍に注目!
ご存じ宮部みゆき先生のデビュー長編でもあります。
感想記事はこちら▶︎パーフェクト・ブルー/宮部みゆき 感想 - わんこたんと栞の森
おすすめ作品、他にもいろいろ!
当ブログでは、他にもさまざまな小説を紹介中。ぜひブクマして、気になる記事をチェックしてみてくださいね。




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