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(読了)読書感想文/十角館の殺人<新装改訂版>

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「硝子の塔の殺人」を読んだので、読み返したくなりました。
※硝子の塔の殺人の感想はこちらに書いています。

 

wan3ko5tan.hatenablog.com


犯人と最後の一番の「トリック」は覚えていたのですが、
細かい内容はうろ覚えだったので、読んでいて新鮮でした。
館シリーズ」の中でも、一番「館」の構造がシンプルなので、
とっつきやすいです笑

以下、ネタバレを含む内容があります。

 

斬新なトリックに驚く

登場する推理小説クラブのメンバーたち。
お互いを有名ミステリ作家の名前で呼び合います。
若干きざったらしいなあ、と思いつつ、
後から登場する「江南」と「守須」のせいで、
読者は気が付かないうちに「強烈な刷り込み」を与えられます。
うーん、してやられた。。。

しかし、「江南」くん、熱しやすく冷めやすいと自称してはいますが、
めちゃめちゃ熱心に捜査していて、ちょっとホームズっぽいところは
面白いですね。

 

犯人が実はマスターキーを隠し持っていて、自由に移動できたり、
洋上の密室かと思われていた「孤島」に外部から出入りすることが
可能だったりと、
トリックの「掟破り」があるのも、本書の特徴です。
でも、そういうの全てひっくるめて、
最後にものすごい驚きを読者に与えてくれる。
、、、やはり傑作だ思います。

 

なにせ、本書の登場をもって、ミステリジャンルにおいて綾辻以降」なんて
言葉が産まれるくらいですからね

 

好きなシーン

「カー」とか「エラリィ」とか、あだ名で呼び合っていたメンバーが
最後に「記事」で実名で報道されるシーン、
ふわっとした、まるで夢の中で起きていたかのような事件が
「現実の世界」におりて「定着」するようで、
ぞっとします。個人的に一番好きなシーンです。

 

いいところなし?の探偵エラリイ

エラリイは最後まで外部犯の可能性を信じ、そして殺されました。
「救いがたい道化役者」と、犯人にも評されてます。
かわいそうなエラリイ。

すごーく好意的に解釈するのであれば。
「エラリイは誰が犯人かはともかく、犯人の動機には当初から気が付いていた」
「誰が犯人か気づきつつ、「外部犯説」を皆が信じるよう、誘導していた」
「最後は自分の運命を覚悟していた
(でも館の地下室の謎は最後に解いておきたかった笑)」

、、、と解釈することもできなくはないですね。
もちろん証拠は一切ないので、私の勝手な想像です笑

 

最後にツッコミたい

ビンを拾うところ
「自分で渡さないんかい!」

 

おしまい。

 

なお、まだ未完ですがコミカライズもされています。
「あれ」をどう表現するのか、必見です!
、、、コミックだとなんとかなるけど、映像化は厳しいだろうなあ。