記事内のリンクには広告を含みますが、本の感想は全て正直に楽しく書いてます。ぜひ最後までお楽しみください★生きるとは、何者かになったつもりの自分に裏切られ続けることだ。直木賞受賞作『何者』に潜む謎がいま明かされる―。光太郎の初恋の相手とは誰なのか。理香と隆良の出会いは。社会人になったサワ先輩。烏丸ギンジの現在。瑞月の父親に起こった出来事。拓人とともにネット通販会社の面接を受けた学生のその後。就活の先にある人生の発見と考察を描く6編！
以前ご紹介した「何者」のスピンオフ的な短編集。
「何者」未読でも問題ないですが、セットで読んだ方が楽しめます。
まずは「何者」を読もう！
個人的には光太郎の初恋を描いた「水曜日の南階段はきれい」
と
理香と隆良の出会いを描いた「それでは二人組を作ってください」がよかったです。
読者は本書の構成上、最初に上記2篇を順番に読むことになるのですが、
「水曜日～」は恥ずかしいくらいキラッキラッの青春小説。
だったのに
「それでは～」で谷底に突き落とされる。
このストーリーの落差に振り回されること間違いなしなので、
そういう意味で「よかった」のがこの2篇です。
(この2作の書き分けが見事で、作者の才能に関心してしまいました)
なお「それでは～」では食事シーンが多いです。
一見、なんてことないシーンですが、
理香の焦り、ストレス、がそこにはにじみ出ていて、、、
こっちにまで理香のストレスが伝わっておなかグルグルなりそう。
