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(雑記)google翻訳で言語は進化する?

記事内のリンクには広告を含みますが、本の感想は全て正直に楽しく書いてます。ぜひ最後までお楽しみください★

これは以前読んだ本に登場する、google翻訳のエピソードについて
自分でも試してみた結果をまとめてみたものです。

 

「読んだ本」とはこちら

 将棋AI ponanza の生みの親でもある、山本一成氏による
初学者向けAI解説本です。
この本自体、めちゃおもしろいので、超オススメです。

(↓は私の読書感想文です)

 

wan3ko5tan.hatenablog.com

 

 

 

2017年以前のgoogle翻訳 

さてここからが本題、この本は2017年発売なのですが、
AIを使ったgoogle機械翻訳について、以下のエピソードが紹介されています。

 

~以下、書籍からの抜粋に私のコメントを付記しています。~

(例文)
父は母がバッグを忘れたことを怒った。

(google英訳)
My father got angry that my mother forgot her bag.

この翻訳、すごいことに、元の日本文にはない「所有格」
きちんと補って表記しています。

 

バッグ→「her bag」

 
所有格herを抜いてしまうと文法的にもおかしな感じになるますし
自然な訳文になっています。

 

でもよく考えると、日本文だけでは「バッグ」が誰の所有物かは
わかりません。
父のものかもしれないし、母のものかもしれないし、
ここには登場しない子供や孫の可能性もあります。

自然な訳文にしようとするあまり情報的には不正確に
なってしまっているのです。

 

ここで、

 

母は父がバッグを忘れたことを怒った。

という文章をgoogle翻訳にかけてみます。
「母」と「父」の関係性を逆にした文章です。

 

ところが、この場合でも「バッグ」の所有格は

"her bag"

のままなのです。

 

筆者はこの結果について
「AIは勝手に『バッグをもつのはたいてい女性』という
ある種ステレオタイプ的な学習をしてしまったのではないか」と述べています。

AIは学習に用いた材料によって、一歩間違うと、
差別的なものの見方を学習してしまう、という一例かなと思います。

 

~以上、書籍からの抜粋でした。~

2020年のgoogle翻訳

さて、2020年に本書を読んだ私は、自分でもこのgoogle翻訳
試してみたくなりました。

すると、、、

 

(例文)
父は母がバッグを忘れたことを怒った。

(google英訳)
father got angry that mother forgot bag.

 

 まさかの所有格 全削除。

 

文法的な滑らかさより、情報の正確性、公平性を重視した
学習を行ったのかもしれません。

 

2021年のgoogle翻訳

 

そして、2021年3月11日、再度同じ例文をgoogle翻訳
今回は父→母と母→父 両方を訳してみました。
(2020年の時はスクショを取り忘れていたので、今回は忘れず取りましたw)

f:id:wan3ko5tan:20210311063036p:plain

父が怒るときは"the bag"、母が怒るときは"his bag"とゆらぎがあるようです。
これはAIの進歩(途上)と呼んでいいのかどうなのか、、、

ちなみにこれ、読点を抜くだけで訳文が大きく変わることにも気づきました。

 

f:id:wan3ko5tan:20210311063536p:plain

読点を抜くと、所有格母と父の所有格"my"が消えてしまいました。
(2020年の翻訳と似ていますね)
とりあえず、google翻訳を使うときは読点(。)を入れておいた方が
自然な訳文になりそうですw

 

 google翻訳で言語は進化する?

 

今後、AI翻訳がさらに世の中に広まったときに、
AIの言語に合わせるのが人類の「スタンダード」になるのかも、と
ふと考えました。

 

英語圏では翻訳のゆらぎを産みやすい所有格を省略したり、
統一したりするようになるかもしれません。
(AIとは無関係ですが、ジェンダーフリーの観点から
sheやheをtheyに統一するムーブメントもあるようですね)

 

逆に日本語圏では、英語に訳しやすいよう、
主語や所有格をあえて明示するしゃべり方が浸透するかもしれないですね。

 

私の母は私の父が私のバッグを忘れたことを怒った。

みたいな。読みづらいw

 

AIに対応すべく、人間側の言語が自然に変化する時代が来るのかも?と
google翻訳を眺めながら妄想してしまいました。

 

繰り返しですが、本はめちゃくちゃ面白いです!

おしまい。