下巻を4割ほどまで読み進め、ついにコンピューターの時代に突入しました。
実はここが一番読みたかったとこだったり。
以下は当時の暗号を取り巻くおおよその状況。
コンピューターネットワークの登場で、大量の情報が(当時は電話回線で)やり取りされるようになった。
当然機密情報には暗号をかけたい。
情報を暗号化する仕組みは作れることができた。(1976年、DESと呼ばれる暗号化の標準方式の登場)、しかし暗号を解く鍵を相手に送信しないことには相手は情報を取り出せない。
電話回線で暗号を解く鍵を送っては傍受されてしまうので、大量の鍵を別途輸送する必要があり、通信コストはどんどん増大していった、、、
通信した内容の解読のための鍵をわざわざ輸送する、そんな時代がつい最近まであったのですね。信じられない。しかも当時はベトナム戦争とかあったわけですが、兵站と同じように暗号の鍵を、鍵の変更のために毎回輸送していたのでしょうか。
そしてとうとう、、、、
一方向性関数というものを利用して、暗号鍵を送信する必要のないシステムを生み出します。
(RSAと言います。)
これは
「暗号化するための鍵→公開鍵、誰にでも公開されている」
「暗号を解く鍵→秘密の鍵、受信者のみが持つ」
を使い、情報を送るというもの、公開鍵を使って情報を暗号化することは簡単にできるけど、公開鍵を使って暗号を解除することはできない、解除できるのは秘密の鍵だけ。
というめちゃくちゃ画期的な仕組みなのです。
公開鍵を使うと元の情報→暗号化はできるけど 暗号→元の情報はできない、一方向にしか進めないから一方向性関数というのですねー
一方向性関数の細かい仕組みについて、そして開発に取り組んだ研究者たちの情熱について、本書ではさらにさらに噛み砕いて記載してくれています。
難しい数学の話も本当にわかりやすくまとめていて、新しい暗号の素晴らしさをとにかくわかりやすく伝えよう!という作者と訳者の意気込みを感じますね。
私はこの仕組みを知ってとっても感動しました。今では当たり前のように行われる「暗号化通信」。
裏でこんなことをやっているなんて、、、という気持ちでいっぱいです。
多分これがなければ今の生活は何一つ成り立たないのだな、という凄みがひしひしと伝わってきました。
早く続きが読みたーい。