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マチネの終わりに(小説版)あらすじと感想

記事内のリンクには広告を含みますが、本の感想は全て正直に楽しく書いてます。ぜひ最後までお楽しみください★

天才ギタリストの蒔野と通信社記者の洋子。出会った瞬間から強く惹かれ合った2人だが、やがてお互いの存在にやがて苦悩することに、、、
「大人に贈る恋愛小説」の感想を正直に書きました。

あらすじ

天才ギタリストの蒔野(38)通信社記者の洋子(40)。出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。2人の苦悩を描いた「大人の」恋愛小説。

福山雅治さん & 石田ゆり子さん 主演で映画化!

蒔野役は福山雅治さん、洋子役は石田ゆり子さん。小説を読んだからこそ言えますが、納得すぎるキャスティング!

小説内で蒔野が演奏するクラシックギターは、情景が思い浮かぶような美しさに溢れているので、そこを福山雅治さんがどのように演じるかが注目ポイントです。

映画はU-NEXTの無料体験でみることができます。ついでに小説版も同じく無料体験で読めます。(31日の無料期間終了前に解約すれば、費用はかかりません)

ちなみに小説冒頭で蒔野が演奏するプログラム。

「メインは新日本フィルとの共演によるアランフェス協奏曲で 、三度に及んだアンコ ールでは 、ラウロの 《セイス ・ポル ・デレ ーチョ 》 、蒔野自身が編曲したブラ ームスの間奏曲第二番イ長調 、更には武満徹の編曲によるビ ートルズの 《イエスタデイ 》」

めちゃくちゃ豪華だ!

率直に。
わんこたんはこの小説を好きになれませんでした。理由を以下に書いていきます。

「蒔野」と「洋子」に感情移入できない

お互い愛し合っているはずなのに、その愛に自身がついていけない。そんな2人の苦悩が綴られていきます。

しかし、ギタリストと通信社記者という職業が、私、わんこたん(普通のサラリーマン、普通に出勤してお給料もらう生活)とかけ離れすぎて感情移入が難しかった。

特に洋子。彼女は過去に中東での取材中にテロに巻き込まれた、という経験があります。その後、薪野との幸せの中で、テロの記憶がフラッシュバックし、PTSD状態に。これがいかほどの苦しみか、想像が追い付かない。

感情移入できないまま読み進めるのは辛かったです。それでも2人の関係の進展が気になり読んでしまうんですが。

「蒔野」と「洋子」のキャラが苦手

洋子はジャーナリストゆえか、正論で自分も相手を追い詰めるタイプ。洋子と結婚し、後に離婚するリチャードに対し「あなたの仕事は道義的に問題がある」と糾弾するシーンがあるのですが。

リチャードの職業のことは以前から知ってたよね?その議論は結婚前にしておこ?

と、ここはリチャードに同情。

一方の蒔野。彼が全くおもしろくない話をし、周りが苦笑いするシーンが何箇所かあるのですが、この「話」が本当におもしろくない!読みながら蒔野への好感度がどんどんさがるほどの「全く面白いはなしを狙って書く」の、逆にすごい。

展開の唐突さが気になる

序盤では想定していなかったのか?と疑いたくなるほど終盤の展開はちぐはぐ。本作はもともと新聞の連載小説であり、そのため途中から展開を修正したのでしょうか。

例えば、スランプに陥った蒔野の復活のきっかけとなるギタリスト「竹知」。蒔野とは旧知の仲、のはずが名前が登場するのはストーリー終盤に差し掛かってから。だいじな役なのに、唐突に出てきた後出しキャラという印象は否めません。

洋子の父親に関する真相、難民となった洋子の仕事仲間、ジャリーラの苦しみなどのサイドエピソードの描写は美しい。ゆえに最後まで中東問題、民族紛争問題描写を描き切って欲しかったなあと、もったいなくも感じました。

ストーリーを支える、マネージャー「三谷」

「三谷」は蒔野のマネージャーとして蒔野を支える立場。次第に彼に心惹かれていきます。やがて洋子をうとましく思い、蒔野を騙って洋子に偽のメールを送り、薪野と洋子の仲を引き裂いてしまう。そしてその行為を後から後悔し始める、という恋愛ライバル的存在です。

(偽のメールっていうのが、ちょっとファンタジー的ですが、これがないと恋愛小説って展開しづらいよね。)

偽のメールのことをひた隠しにして、スランプに苦しむ蒔野を支える三谷。やがて三谷と蒔野は結婚し子供を授かるも、人知れず偽メールの過去に苦しむ三谷。彼女の苦悩を想像するだけで胃がキリキリし、彼女がどうなるのか、偽のメールはバレてしまうのか、そこが気になる一心で、この本を読み進めました。

結局最後までもやもやしながら読み進めたなあ。なにかすっきり楽しい頭空っぽになれる本はないかなあ。

恋愛小説に疲れたら、人間やめてヤギになるのもおすすめじゃぞ

 

bowbookwow.com

おしまい!